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2026/10/27

自己資金なしで起業できる?創業融資の自己資金要件と、少ない資金で始める方法

自己資金なしでも創業融資の申込みはできます。公庫の新規開業・スタートアップ支援資金に自己資金の要件はなく、公庫は計画全体を重視するとしています。ただ創業資金に占める自己資金は平均2割程度。保証制度の要件と、少ない資金で始める方法を公的機関の案内から整理しました。

自己資金と創業融資の数字確かさ A
A創業資金に占める自己資金
平均で2割程度公庫が融資先の創業企業を調べた新規開業実態調査より
A開業時の自己資金(平均)
279万円資金調達額の平均1,219万円のうち。借り入れは平均827万円(公庫 2025年度調査)
A開業費用「250万円未満」の割合
20.1%250万〜500万円未満の21.7%と合わせて4割以上
Aスタートアップ創出促進保証の自己資金要件
創業資金総額の10分の1以上事業開始前か税務申告1期未終了の場合(神奈川県信用保証協会)
A信用保証協会の創業向け保証の限度額
3,500万円創業関連保証・再挑戦支援保証・スタートアップ創出促進保証の合計

自己資金なしでも、創業融資の申込みはできます。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」の利用条件は「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」で、自己資金の額は条件になっていません(公庫、2026年10月27日閲覧)。

ただし公庫は、自己資金について「重要な要素のひとつ」としたうえで、創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度と示しています。このページでは、融資・保証制度ごとの自己資金の扱いと、少ない資金で始める方法を整理します。

自己資金なしの起業とは:手持ちのお金を使わずに始めること

自己資金とは、事業を始めるために自分で用意するお金のことです。借りたお金(融資)やもらったお金(補助金)とは分けて考えます。「自己資金なしで起業する」とは、この手持ちのお金をほとんど使わずに、融資や小さな元手で事業を始めることを指します。

開業した人が実際にどう資金を集めたかは、公庫の2025年度新規開業実態調査に出ています。

資金調達先平均額調達額に占める割合
金融機関等からの借り入れ827万円67.9%
自己資金279万円22.9%
合計(その他を含む資金調達額)1,219万円―

借り入れと自己資金で全体の90.7%です。多くの人は、自己資金を一部入れたうえで、足りない分を借りています。

創業融資の自己資金要件:制度ごとの違い

創業融資で自己資金がどう扱われるかは、制度によって違います。公的な制度の案内を並べました。

制度自己資金の扱い限度額
公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」利用条件に自己資金の要件はない。公庫は自己資金より創業計画全体が重要としている7,200万円
信用保証協会「創業関連保証」全国信用保証協会連合会の案内の対象要件に、自己資金の記載はない3,500万円(合計)
信用保証協会「スタートアップ創出促進保証」事業開始前か税務申告1期未終了なら、創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要3,500万円(合計)

信用保証協会の創業向けの保証(創業関連保証・再挑戦支援保証・スタートアップ創出促進保証)は併用でき、合計で3,500万円が保証限度額です。スタートアップ創出促進保証は、保証料率を0.2%上乗せする代わりに、経営者が会社の連帯保証人にならなくてよい制度です。法人で創業する人が対象で、神奈川県信用保証協会の案内では保証人は「不要」です。

公庫の創業融資の金利・必要書類・創業計画書の書き方は、日本政策金融公庫の創業融資にまとめています。

自己資金が少ないと何が不利になるか

自己資金がなくても申込みはできますが、審査では創業計画の説得力がより問われます。公庫は、創業期の人(新たに事業を始める人や、事業開始後に税務申告を2期終えていない人)は原則として無担保・無保証人で融資制度を使えるとしています。担保がない分、計画書で「返せる」ことを示す必要があります。

自己資金が少ないときに、計画書で補える点は次のとおりです。

  1. 経験を示す:同じ業界での経験年数や、前職での実績を具体的に書きます。
  2. 売上の根拠を示す:見込み客の数、試しに売った結果、予約や受注の状況を書きます。
  3. お金の使い道を絞る:開業にどうしても必要な設備と、売上が立つまでの運転資金だけを借ります。
  4. 貯めてきた経緯を説明できるようにする:毎月の積み立てなど、どう用意したかを説明できるお金は、計画を裏づける材料になります。

少ない資金で始める方法

融資に頼らず、元手を小さくして始める方法もあります。公庫の調査では、開業費用が「250万円未満」の人が20.1%、「250万~500万円未満」が21.7%で、合わせて4割以上が500万円未満で開業しています。開業費用の平均は975万円、中央値は600万円です。

元手を小さくする主な方法を整理しました。

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個人事業主として始めるなら、会社の設立費用はかかりません。ただ、仕事の道具、名刺やホームページ、広告など、売上が立つまでにかかる費用は必ず出てきます。

開業資金の全体の目安は開業資金はいくら必要?で、公庫の調査をもとに分布を確かめられます。

返済不要のお金:補助金・助成金とクラウドファンディング

返済しなくてよいお金には、補助金・助成金とクラウドファンディングがあります。ただし、自己資金の代わりにはなりにくいことに注意が必要です。

  • 補助金・助成金:多くは、先に自分で支払った経費の一部を、あとから受け取る後払いです。開業前の支払いには使えません。開業まもない事業者向けの枠がある補助金もあり、条件は小規模事業者持続化補助金で詳しく確かめられます。
  • クラウドファンディング:支援者から先にお金を集めます。集まらない場合や、手数料・リターンの費用がかかる点を見込んでおきます。

資金の集め方を4つ並べて比べたいときは、開業資金の集め方をご覧ください。

自己資金を用意するまでの進め方

自己資金がほとんどない場合の進め方を、順番にまとめます。

  1. 開業費用を小さく見積もり直す:物件・内装・設備のうち、借りる・中古にする・後回しにするものを分けます。
  2. 在職中や副業で売上を試す:買う人がいるかを確かめると、計画書の根拠になります。
  3. 毎月の積み立てを始める:金額が小さくても、続けた記録が残ります。
  4. 地域の創業支援を受ける:市区町村の創業セミナーなど(認定特定創業支援等事業)を受けて証明書を取ると、公庫の新規開業・スタートアップ支援資金で特別利率Aの対象になります。
  5. 公庫や信用保証協会に相談する:自己資金の額を含めて、計画を見てもらいます。

よくある質問

自己資金なしで創業融資は受けられますか?

申込みはできます。公庫の新規開業・スタートアップ支援資金の利用条件に自己資金の要件はありません。ただし公庫は、創業資金に占める自己資金は平均2割程度と示しています。

創業融資の自己資金はいくら必要ですか?

決まった金額はありません。公庫は自己資金より創業計画全体が重要としつつ、目安として平均2割程度と示しています。保証付き融資の一部は10分の1以上が要件です。

0円で起業することはできますか?

個人事業主なら会社の設立費用はかかりませんが、道具や広告などの費用は出てきます。公庫の調査では開業費用250万円未満が20.1%で、少額で始める人も一定数います。

返済不要の資金で起業できますか?

補助金・助成金は返済不要ですが、多くは使ったお金を後から補助する後払いです。開業前の支払いには自己資金か融資が必要になります。

出典

  1. 日本政策金融公庫 創業支援「Q&A」(2026年10月27日閲覧)
  2. 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(2026年10月27日閲覧)
  3. 日本政策金融公庫 総合研究所「2025年度新規開業実態調査」アンケート結果の概要(2025年12月5日公表・2026年10月27日閲覧)
  4. 全国信用保証協会連合会「創業をお考えの方」(2026年10月27日閲覧)
  5. 神奈川県信用保証協会「スタートアップ創出促進保証」(2026年10月27日閲覧)

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監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月27日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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