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2026/10/26

日本政策金融公庫の創業融資|限度額7,200万円・金利の見方・必要書類と創業計画書

#融資

日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、融資限度額7,200万円、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内です。2026年10月1日時点の金利、申込みに必要な書類、創業計画書の10項目を公庫の公式ページからまとめました。

新規開業・スタートアップ支援資金の条件確かさ A
A融資限度額
7,200万円設備資金と運転資金
A返済期間
設備20年以内・運転10年以内うち据置期間5年以内
A基準利率(無担保・税務申告2期前)
年3.85〜5.45%2026年10月1日現在
A特別利率A(同)
年3.45〜5.05%女性、35歳未満または55歳以上の方など
A申込みから融資決定まで
平均3週間程度条件により長くなる場合あり
A創業資金に占める自己資金
平均2割程度公庫の新規開業実態調査より

日本政策金融公庫の創業融資の中心である「新規開業・スタートアップ支援資金」は、融資限度額7,200万円、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内(うち据置期間5年以内)です。無担保で借りる、税務申告を2期終えていない人の基準利率は、2026年10月1日現在で年3.85〜5.45%です。

この記事では、公庫の公式ページをもとに、制度の条件、金利の見方、申込みに必要な書類、創業計画書の書き方を順に整理します。

日本政策金融公庫の創業融資とは

日本政策金融公庫の創業融資とは、日本政策金融公庫(以下、公庫)の国民生活事業が、これから事業を始める人や開業まもない人に貸す事業資金のことです。代表的な制度が「新規開業・スタートアップ支援資金」です。

公庫は、新たに事業を始める方や事業開始後に税務申告を2期終えていない方を「創業期」とし、原則として無担保・無保証人で各種融資制度を利用できるとしています。契約時の金利が最後まで変わらない固定金利であることも、公庫が挙げる特徴です。

新規開業・スタートアップ支援資金の条件

項目内容
利用できる人新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
使いみち事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金・運転資金
融資限度額7,200万円
返済期間設備資金20年以内、運転資金10年以内(いずれも据置期間5年以内)
利率基準利率。要件に当たる人は特別利率
担保・保証人希望を聞きながら相談

据置期間とは、利息だけを払い、元金の返済を待ってもらえる期間のことです。開業直後は売上が安定しにくいので、据置期間をどれだけ取るかで、最初の数か月の資金繰りが変わります。

利用できるのは、適正な事業計画を立てていて、その計画をやり遂げる能力が十分あると認められる方に限られます。公庫は創業計画書などで事業計画の内容を確認します。

金利の見方:利率の名前と幅で読む

公庫の金利は「基準利率」と、条件に当たる人に適用される「特別利率A・B・C…」に分かれます。同じ名前の利率でも、使いみち・返済期間・担保の有無によって幅があるため、表は「年◯〜◯%」と範囲で示されています。

利率の名前無担保・税務申告2期前無担保・税務申告2期後
基準利率年3.85〜5.45%年4.05〜5.65%
特別利率A年3.45〜5.05%年3.65〜5.25%
特別利率B年3.20〜4.80%年3.40〜5.00%
特別利率C年2.95〜4.55%年3.15〜4.75%

(令和8年10月1日現在。開業前・開業直後の人は左の列が当てはまります)

新規開業・スタートアップ支援資金で特別利率Aになるのは、たとえば次の方です(土地にかかる資金は原則除く)。

  • 女性の方、35歳未満または55歳以上の方
  • 市区町村の創業塾や創業セミナーなど(認定特定創業支援等事業)を受け、証明書を取得した方
  • 中小企業の会計に関する基本要領などを適用し、自ら事業計画書をつくって、税理士などの認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けている方
  • 地域おこし協力隊の任期2年目以降か任期終了後1年以内で、活動した地域で事業を始める方

創業セミナーの証明書があり、さらに女性・35歳未満・55歳以上のいずれかに当たる方は特別利率Bになります。

申込みに必要な書類

公庫のインターネット申込で準備する書類は、次のとおりです(創業予定の方の場合)。

  • 創業計画書
  • 設備資金を申し込む場合は見積書
  • 法人の場合は履歴事項全部証明書または登記簿謄本
  • 担保を希望する場合は、不動産の登記簿謄本または登記事項証明書
  • 本人確認書類(運転免許証の両面、マイナンバーカードの表面のみ、またはパスポート)
  • 飲食店など許可・届出が必要な事業は、その許認可証
  • 生活衛生関係の事業は、都道府県知事の推せん書(設備資金の申込額が500万円以下なら不要)または生活衛生同業組合の資金証明書

郵送で申し込む場合は、これらに「借入申込書(国民生活事業用)」を添えます。法人を設立して創業する場合は、設立登記を済ませた法人が融資の対象です。資本金の払い込みにあてるお金は融資の対象外です。

創業計画書に書く10項目

創業計画書は、公庫のホームページから様式(PDF・Excel)をダウンロードできます。様式の項目は次の10個です。

項目書く内容
1 創業の動機どんな目的・動機で始めるか
2 経営者の略歴等勤務先だけでなく担当業務・役職・身につけた技能、資格、許認可
3 取扱商品・サービス内容と売上シェア、客単価、営業日数、セールスポイント、販売戦略、競合
4 従業員3か月以上続けて雇う予定の人数
5 取引先・取引関係等販売先・仕入先・外注先と、回収・支払の条件
6 関連企業本人や配偶者が経営している企業
7 お借入の状況住宅・車・カードなど、いまある借入と年間返済額
8 必要な資金と調達方法設備資金・運転資金の内訳と、自己資金・借入などの調達先
9 事業の見通し(月平均)創業当初と軌道に乗った後の売上高・原価・経費・利益と、その根拠
10 自由記述欄アピールポイントや悩み、希望するアドバイス

様式には「この書類に代えて、お客さまご自身が作成された計画書をご提出いただいても結構です」と書かれています。

申込みから融資までの流れ

公庫の「創業予定の方」向けの案内では、一般的な流れは次のとおりです。

  1. 相談:オンラインか支店で、予約して相談できます。
  2. 申込み:インターネット申込は24時間受け付けています。
  3. 面談:資金の使いみちや事業計画について話を聞かれます。
  4. 予定地の訪問:店舗や事業所の予定地を訪ねることがあります。
  5. 融資の決定:事業計画などをもとに判断します。
  6. 契約と送金:電子契約の手続きのあと、指定の口座に送金されます。
  7. 返済:原則として毎月返します。

申込窓口は、個人で創業する場合は創業予定地の近くの支店、法人は本店所在地の近くの支店です。公庫は、出店地が決まらないと資金計画や売上予測が立たないため、出店地を決めてから申し込むよう案内しています。申込みから融資の決定までは平均3週間程度です。

自己資金はどれくらい用意するか

公庫は、自己資金は重要な要素だが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要だとしています。そのうえで、創業資金に占める自己資金の割合は平均で2割程度だと示しています。

公庫の2025年度新規開業実態調査では、開業時に集めたお金の平均1,219万円のうち、自己資金は279万円(22.9%)、金融機関などからの借り入れは827万円(67.9%)でした。開業費用の分布は開業資金はいくら必要?で詳しく紹介しています。

融資だけでなく、補助金やクラウドファンディングを組み合わせる方法は開業資金の集め方にまとめました。補助金は後払いなので、立て替えるお金を融資で用意するケースもあります(小規模事業者持続化補助金とは)。愛媛県伊予市の喫茶&宿ポパイは、地元の金融機関の支援とクラウドファンディングを組み合わせて宿を開きました。

公庫は全国152支店に「創業サポートデスク」を置き、創業計画書の立て方や申込みの流れの相談に応じています。

よくある質問

日本政策金融公庫の創業融資はいくらまで借りられますか?

新規開業・スタートアップ支援資金の融資限度額は7,200万円です。実際の金額は、創業計画書や面談をもとにした審査で決まります。

担保や保証人は必要ですか?

公庫は、新たに事業を始める方や税務申告を2期終えていない方は、原則として無担保・無保証人で各種融資制度を利用できるとしています。

申込みから融資が決まるまで、どれくらいかかりますか?

公庫のQ&Aでは平均3週間程度です。融資の条件などによっては時間がかかる場合もあるため、開業日から逆算して早めに相談するのが安全です。

自己資金はいくらあれば借りられますか?

公庫は、自己資金より創業計画全体がしっかりしているかが重要だとしています。調査では、創業資金に占める自己資金の割合は平均で2割程度です。

出典

  1. 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(2026年10月26日閲覧)
  2. 日本政策金融公庫「金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」(令和8年10月1日現在の利率・2026年10月26日閲覧)
  3. 日本政策金融公庫「お手続きの流れ 創業予定の方」(2026年10月26日閲覧)
  4. 日本政策金融公庫 創業支援「Q&A」(2026年10月26日閲覧)
  5. 日本政策金融公庫 創業支援「創業計画の書き方」(創業計画書の様式)(2026年10月26日閲覧)
  6. 日本政策金融公庫 創業支援トップ(創業サポートデスク)(2026年10月26日閲覧)
  7. 日本政策金融公庫 総合研究所「2025年度新規開業実態調査」アンケート結果の概要(2025年12月5日公表)

数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月26日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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