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2026/10/27

創業支援とは?特定創業支援等事業で登録免許税が半額に|起業セミナー・相談窓口と証明書の受け方

創業支援とは、国と市区町村が創業する人に行う相談・セミナー・融資などの支援です。市区町村の「特定創業支援等事業」を1か月以上4回以上受けて証明書をもらうと、会社設立の登録免許税が0.7%から0.35%に下がり、創業関連保証も事業開始6か月前から使えます。

特定創業支援等事業の証明書で受けられる優遇(2026年10月時点)確かさ A
A受ける支援の要件
1か月以上4回以上経営・財務・人材育成・販路開拓の知識を身につける
A株式会社設立の登録免許税
0.35%通常は資本金の0.7%。最低税額15万円→7.5万円
A合同会社設立の最低税額
3万円通常は6万円。税率は0.7%→0.35%
A創業関連保証の特例
事業開始6か月前から通常は2か月前から。無担保・第三者保証人なし
A持続化補助金<創業型>の補助上限
200万円補助率2/3。証明書が申請の要件
A登録免許税の軽減の適用期限
令和9年3月31日租税特別措置法第80条第3項。経済産業省は令和12年3月31日までの延長を要望中

創業支援とは、国や市区町村などが、これから事業を始める人や創業まもない人に行う相談・セミナー・融資・補助金などの支援のことです。なかでも市区町村の「特定創業支援等事業」を1か月以上4回以上受けて証明書をもらうと、株式会社をつくるときの登録免許税が資本金の0.7%から0.35%に下がります(東京都中央区・広島市、2026年10月27日閲覧)。

証明書は、税金のほかにも、信用保証協会の創業関連保証、日本政策金融公庫の融資、小規模事業者持続化補助金<創業型>で使えます。このページでは、自治体と国の公式資料をもとに、受けられる優遇・証明書の受け方・相談窓口を整理します。

創業支援とは:国と市区町村が組む起業の支援

創業支援とは、事業を始める前後の人に、知識・お金・人のつながりを提供する公的な支援のことです。相談やセミナーのような「知識の支援」と、融資や補助金のような「お金の支援」があります。

その中心にあるのが、産業競争力強化法にもとづく「創業支援等事業計画」です。市区町村が商工会議所・商工会・金融機関・日本政策金融公庫などと組んで創業支援の計画をつくり、国の認定を受けます。たとえば東京都中央区は、東京商工会議所中央支部や日本政策金融公庫(東京中央支店)と連携して、創業相談や創業融資を行っています。

この計画の中で、とくに中身の濃い支援が「特定創業支援等事業」です。広島市は、支援事業者の創業セミナーや個別支援を組み合わせて1か月以上にわたり4回以上受け、経営・財務・人材育成・販路開拓のノウハウを身につけたと認められるものを、特定創業支援等事業としています。

分野学ぶこと(広島市の例)
経営経営理念、経営戦略、事業計画の立て方
財務会計、経理、税務、資金繰り・資金調達
人材育成従業員の雇用、人材確保、人事・労務管理
販路開拓商品開発、マーケティング、店舗演出、販売促進

特定創業支援等事業の証明書で受けられる4つの優遇

証明書で受けられる優遇は、登録免許税の軽減、創業関連保証の特例、公庫の利率引き下げ、持続化補助金<創業型>の申請の4つです。中央区・広島市・名古屋市の案内をまとめると、次のとおりです。

優遇内容証明書を出す先
会社設立時の登録免許税の軽減株式会社・合同会社の設立で、資本金の0.7%が0.35%に。最低税額は株式会社15万円→7.5万円、合同会社6万円→3万円法務局(原本)
創業関連保証の特例無担保・第三者保証人なしの創業関連保証を、事業開始の6か月前から使える(通常は2か月前から)信用保証協会・金融機関(写し可)
日本政策金融公庫の利率引き下げ「新規開業・スタートアップ支援資金」で特別利率Aの対象になる日本政策金融公庫(写し可)
持続化補助金<創業型>の申請補助上限200万円・補助率2/3の補助金に申請できる補助金の事務局(写し可)

どの優遇も、証明書があれば自動で受けられるわけではありません。中央区は、証明書は各制度の利用を保証するものではなく、別に審査があると注意しています。

登録免許税はいくら安くなるか

会社をつくるときの登録免許税は、証明書があると半分になります。資本金が小さい会社では最低税額で決まるので、株式会社なら15万円が7.5万円に、合同会社なら6万円が3万円になります。

たとえば資本金300万円の株式会社なら、300万円×0.7%=2.1万円で最低税額の15万円に届かないため、ふつうは15万円です。証明書があれば、300万円×0.35%=1.05万円で最低税額の7.5万円に届かないため7.5万円になり、差は7.5万円です(編集部の計算)。

設立費用の全体(定款認証の手数料など)や、個人事業主と法人のどちらで始めるかは、個人事業主と法人の違いにまとめています。

証明書を受けるまでの流れ

証明書は、特定創業支援等事業を受けた市区町村に申請してもらいます。中央区の流れは次のとおりです。

  1. 特定創業支援等事業を受ける:区の起業家塾や出張経営相談を、1か月以上4回以上受けます。全部の回を代表者本人が受ける必要があり、代理出席はできません。
  2. 証明書の交付を申請する:電子申請のフォームから申し込みます。創業済みの個人事業主は開業届の写し、法人の代表者は履歴事項全部証明書の写しを添えます。
  3. 審査を受けて証明書をもらう:中央区では、申請から発行まで7日〜10日程度(土日祝日を除く)です。
  4. 各制度で使う:会社を設立するなら、登記の申請のときに証明書の原本を法務局に出します。

証明書をもらえるのは、事業を営んでいない人(中央区では6か月以内に創業する具体的な計画がある人)と、創業後5年未満の人です。個人事業主から法人成りする場合は、開業届の開業日から5年未満なら対象になります。

証明書を使うときの注意点

証明書には、使える場所と期限に決まりがあります。とくに登録免許税の軽減は、条件を外すと受けられません。

注意点内容
設立前に出す会社を設立したあとで登録免許税の軽減は受けられない。組織変更にも使えない
同じ市区町村で設立する登録免許税の軽減は、証明書を出した市区町村の外で設立すると受けられない(保証・公庫・補助金は他の市区町村で創業しても使える:名古屋市)
発起人かつ代表者が受ける会社法上の発起人で、会社の代表者になる個人が証明を受ける
2社目は対象外すでにある会社を続けながら新しく会社をつくる場合は対象外(中央区)
申請と有効の期限中央区では、申請は支援を受けた最終日の翌日から1年以内。有効期限は交付の日から1年を経過する日の前日など

持続化補助金<創業型>は、特定創業支援等事業の支援を受けた日と開業日の両方が、公募の締切から過去1年以内であることが要件です。創業型の対象者や使える経費、申請の流れは持続化補助金の創業型とはをご覧ください。

起業の相談・セミナーはどこで受けられるか

起業の相談やセミナーは、市区町村、商工会議所・商工会、よろず支援拠点、日本政策金融公庫などで受けられます。

窓口できること
市区町村特定創業支援等事業(創業塾・個別相談)と証明書の発行
商工会議所・商工会創業相談・創業セミナー。持続化補助金の書類の発行も
よろず支援拠点国が47都道府県に設置。創業予定の人も含め、経営の相談に何度でも無料で対応
日本政策金融公庫創業融資と創業相談
認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士など)事業計画づくりの指導・助言。受けていると公庫の特別利率の要件になる場合がある

日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、創業塾や創業セミナーなど(認定特定創業支援等事業)を受けて、認定市区町村が発行する有効な証明書を取得した人を、特別利率Aの対象にしています。融資の限度額や必要書類は日本政策金融公庫の創業融資にまとめています。

よくある質問

創業支援とは何ですか?

国や市区町村、商工会議所、金融機関などが、これから事業を始める人や創業まもない人に行う相談・セミナー・融資・補助金などの支援のことです。

特定創業支援等事業を受けると何が得になりますか?

証明書をもらうと、会社設立の登録免許税が0.7%から0.35%に下がるほか、創業関連保証の前倒し、公庫の融資の利率引き下げ、持続化補助金<創業型>への申請ができます。

証明書をもらうには何回受講すればよいですか?

市区町村が認定した創業セミナーや個別相談を、1か月以上にわたって4回以上受けることが要件です。代理出席は認めない自治体があります。

会社をつくったあとでも登録免許税は安くなりますか?

なりません。軽減を受けるには、設立の登記をするときに証明書の原本を法務局に出す必要があります。設立後の組織変更にも使えません。

起業の相談は無料でできますか?

国が47都道府県に置いている「よろず支援拠点」では、創業予定の人も含めて、経営の相談に何度でも無料で応じています。

出典

  1. 中央区「創業支援等事業」(2026年4月1日掲載・2026年10月27日閲覧)
  2. 広島市「特定創業支援等事業を受けたことの証明について」(2026年8月4日更新・2026年10月27日閲覧)
  3. 名古屋市「特定創業支援等事業により支援を受けたことにより対象となる支援制度」(2026年6月25日・2026年10月27日閲覧)
  4. 経済産業省「令和9年度税制改正要望事項(創業支援等事業計画の認定自治体における登録免許税の軽減措置の延長)」(2026年10月27日閲覧)
  5. 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(2026年10月27日閲覧)
  6. よろず支援拠点全国本部(中小企業基盤整備機構)(2026年10月27日閲覧)

数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月27日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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