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2026/10/28

週末起業・プチ起業の始め方|会社員のまま小さく始める人の数字と実例

週末起業は珍しい形ではありません。日本政策金融公庫の2025年度調査では、事業に充てる時間が週35時間未満のパートタイム起業家の51.4%が勤務しながら起業し、91.6%は金融機関から借り入れずに始めていました。月5日営業の間借りカフェの利益など実例で始め方をまとめます。

週末起業・プチ起業の数字(公庫2025年度調査と実例)確かさ A
A勤務しながら起業した割合
51.4%パートタイム起業家(事業に充てる時間が週35時間未満)。公庫2025年度調査
A自己資金だけで起業した割合
75.4%パートタイム起業家。起業費用に占める自己資金が100%
A自宅の一室で仕事をしている割合
56.2%パートタイム起業家
A金融機関から借り入れずに起業
91.6%パートタイム起業家。起業家は83.5%
A勤務と事業の両立を続ける意向
48.2%勤務しながら事業を運営しているパートタイム起業家
A月5日営業の間借りカフェの利益
60,960円京都の古民家コワーキングの1階で営業(2023年9月)。利益率25.0%

週末起業は、会社員のまま始める人が多い形です。日本政策金融公庫の「2025年度起業と起業意識に関する調査」(2026年2月10日公表)では、事業に充てる時間が週35時間未満の「パートタイム起業家」の51.4%が勤務しながら起業していました。金融機関から借り入れずに起業した人は91.6%です。

時間もお金も小さく始められる一方で、残る利益と使う時間を最初に数字にしておかないと、続けるのがつらくなります。このページでは、公庫の調査と、月に数日だけ開く店・休日だけ売るパン店の実例から、週末起業・プチ起業の始め方を整理します。会社員が副業で開業届を出すときの手続きは、副業から起業する手順にまとめています。

週末起業とは?プチ起業との違い

週末起業とは、会社に勤めたまま、休日や平日の夜などの限られた時間で自分の事業を営むことです。プチ起業は、お金や時間を大きくかけずに小さく始める起業を広く指す言い方で、勤めているかどうかは問いません。どちらも、最初から事業だけで生活費を稼ぐことを前提にしない点が共通しています。

公庫の調査は、事業に充てる時間で起業した人を2つに分けています。

区分定義勤務しながら起業した割合
起業家事業に充てる時間が1週間に35時間以上「勤務を辞めてから事業を始めた」が63.9%で最多
パートタイム起業家事業に充てる時間が1週間に35時間未満51.4%(現在も勤務しながら40.4%+勤務しながら始め今は事業だけ11.1%)

週末起業は、このうちパートタイム起業家に近い働き方です。調査の事前調査で事業を経営している人(1,096人)の分布をみると、事業に充てる時間が週15時間未満の人が65.9%を占めていました。

数字で見るパートタイム起業家

パートタイム起業家は、1人で、自宅で、借り入れをせずに始める人が多数です。公庫の2025年度調査(調査時点2025年11月、回収数3万8,017人)から抜き出しました。

項目パートタイム起業家起業家(週35時間以上)
費用はかからなかった53.2%32.2%
起業費用が50万円未満36.8%29.4%
自己資金だけで起業75.4%69.3%
金融機関からの借り入れなし91.6%83.5%
自宅の一室で仕事をしている56.2%47.5%
従業者が1人(本人のみ)76.5%78.0%
現在の月商が50万円未満91.5%68.3%
採算が黒字基調74.8%72.6%

起業の動機は、パートタイム起業家では「収入を増やしたかった」が54.9%で最も多く、「自由に仕事がしたかった」29.8%、「自分が自由に使える収入が欲しかった」23.1%が続きます。起業家では「自由に仕事がしたかった」が51.7%で1位でした。

事業からの収入が本人の定期的な収入に占める割合は、パートタイム起業家では「5%未満」が28.7%、「5~25%未満」が30.5%です。勤務しながら事業を運営している人に今後を聞くと、パートタイム起業家は「勤務と事業の両立を続ける」が48.2%で最も多くなりました。

実例:月に数日だけ開く店、休日だけ売るパン店

週末起業・プチ起業の実例では、営業する日を絞り、場所を借りるか小さく持つことで費用を抑えています。

事業場所営業の形公開されている数字
間借りカフェ京都市(古民家のコワーキングスペースの1階)月に5〜6回、11時〜17時2023年9月:売上244,010円、利益60,960円
f.(エフドット)新潟県燕市(自宅敷地のコンテナハウスから)会社勤めの4年間は副業。休日に販売床面積15平方メートルほどのコンテナハウス

京都の間借りカフェの代表・小夏さんは、2023年9月の数字をnoteで公開しています。営業日数は5日、客数120名、客単価2,033円で、売上は244,010円でした。費用は、お菓子や珈琲の原価(変動費)が62,200円、間借りの場所代・製造工房・人件費・交通費の固定費が120,850円で、利益は60,960円(利益率25.0%)です。

f.の店主は、百貨店で婦人服販売に25年間従事したあと、趣味のパンづくりで起業しました。日本政策金融公庫の調査月報(2026年2月号)によると、元の勤務先のブランドに再び入社し、退職するまでの4年間はベーカリーを副業として経営し、出社前や帰宅後に仕込んだパンを休日に販売していました。

時給で見る:使う時間を先に数える

週末起業は、利益を自分が使った時間で割って続けられるかを判断します。

小夏さんは、営業時間は6時間でも前後の準備を考えると1日9時間、試作などに6時間かかるとして、9月の時給を次のように出しています。

60,960円÷51=1,195円(9時間×5日+6時間=51時間)

同じnoteでは、自分の店を持って20日営業した場合のシミュレーションもしています。そのうえで、カフェ一本だけで利益を出し続けるのは大変だとして、焼菓子やグラノーラのEC販売、フォトグラファーやスクール運営など、収入の柱をいくつも持つ考え方を書いています。

会社員のまま始めるときに確かめること

会社員が週末起業をするときは、勤め先の就業規則・働く時間・業種ごとの許可の3つを確かめます。

  1. 就業規則:副業が届出制か許可制かを確かめます。届出の手順や確定申告・住民税は、冒頭で紹介した副業から起業する手順のページで扱っています。
  2. 働く時間:厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月改定版)では、フリーランス、独立、起業、共同経営など労働基準法が適用されない場合、その時間は本業の労働時間と通算されません。ただし、就業時間が長時間にならないよう配慮することが望ましいとしています。
  3. 業種ごとの許可:食品を売るなら、保健所の営業許可が必要です。f.の店主は、家庭で使っているキッチンでは許可を得られないため、退職金で床面積15平方メートルほどのコンテナハウスを買い、水道や電気、ガスを引いて店にしました。

週末起業の始め方

  1. 使える時間を書き出す:1週間で事業に使える時間の上限を決めます。公庫の事前調査では、事業経営者の65.9%が週15時間未満でした。
  2. 費用のかからない形から選ぶ:自宅の一室、間借り、イベント出店、ネット販売など、借り入れをしなくても始められる形から試します。
  3. 1回の営業の利益と時給を出す:売上から原価と場所代などの固定費を引き、使った時間で割ります。
  4. 許可と届出を済ませる:食品なら保健所の営業許可、事業として続けるなら開業届と確定申告の準備をします。開業届の出し方は開業届の出し方と期限をご覧ください。
  5. 続ける形を決める:両立を続けるか、専業にするかは、数字がそろってから決めます。f.の店主は、勤め先を退職するまでの4年間、ベーカリーを副業として続けました。

よくある質問

週末起業とは何ですか?

会社に勤めたまま、休日や平日の夜など限られた時間で自分の事業を営むことです。公庫の調査では、週35時間未満で事業をするパートタイム起業家の51.4%が勤務しながら起業していました。

週末起業にお金はどれくらいかかりますか?

小さく始める人が多数です。公庫の2025年度調査では、パートタイム起業家の53.2%が費用をかけずに起業し、91.6%は金融機関から借り入れていませんでした。

会社員の週末起業は労働時間の上限に数えられますか?

厚生労働省のガイドラインでは、起業やフリーランスなど労働基準法が適用されない働き方の時間は、本業の労働時間と通算されません。ただし長時間にならない配慮は求められます。

週末だけお菓子やパンを売るにも許可は要りますか?

販売用につくるなら保健所の営業許可が要り、家庭のキッチンでは許可を得られません。新潟県燕市のパン店f.は、自宅敷地に専用のコンテナハウスを置いて許可を取りました。

出典

  1. 日本政策金融公庫 総合研究所「2025年度起業と起業意識に関する調査」アンケート結果の概要(ニュースリリース)(2026年2月10日公表・2026年10月28日閲覧)
  2. 日本政策金融公庫 総合研究所「2025年度起業と起業意識に関する調査」アンケート結果の概要(本文)(2026年2月10日公表・2026年10月28日閲覧)
  3. 小夏さんのnote「間借りカフェの売上と利益の数字全て公開します!」(2023年10月8日公開・2026年10月28日閲覧)
  4. 日本政策金融公庫『調査月報』2026年2月号 No.209「未来を拓く起業家たち」(f.)(2026年2月・2026年10月28日閲覧)
  5. 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)(令和4年7月改定・2026年10月28日閲覧)

数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月28日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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