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2026/10/27更新

開業届の出し方と期限|必要なもの・書き方・e-Taxでオンライン提出する手順

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は、事業を始めた年の確定申告期限までに納税地の税務署へ出します。e-Taxなら本人確認書類の写しは不要です。青色申告の承認申請(1月16日以後の開業は2か月以内)など、一緒に出す書類の期限も国税庁の案内から整理しました。

開業届と一緒に確かめる期限(2026年10月時点)確かさ A
A開業届の提出期限
確定申告期限まで事業を始めた日の属する年分の確定申告期限(国税庁 A1-5)
A開業届の提出先
納税地の税務署e-Tax・持参・送付のいずれか
A青色申告承認申請書
2か月以内1月16日以後に開業した場合。1月15日までの開業はその年の3月15日まで
A青色申告特別控除
最高65万円e-Tax提出または優良な電子帳簿の保存が条件。ほかに55万円・10万円
A給与支払事務所等の開設届出書
1か月以内人を雇って給与を払う場合(国税庁 A2-7)
A東京都の事業開始等申告書
15日以内個人事業税。都税事務所へ。LoGoフォームで提出可

開業届は、事業を始めた年の確定申告期限までに、納税地を所轄する税務署へ出します(国税庁、2026年10月26日閲覧)。e-Taxならオンラインで提出でき、本人確認書類の写しも要りません。

ただし、開業届と一緒に考えたい書類には、もっと短い期限のものがあります。青色申告の承認申請は、年の途中で開業したなら開業の日から2か月以内です。このページでは、国税庁の手続の案内と記載要領をもとに、出し方・必要なもの・書き方を順に整理します。

開業届とは:事業を始めたことを税務署に届ける書類

開業届とは、新たに事業を始めたことを税務署に知らせるための届出書のことです。正式な名前は「個人事業の開業・廃業等届出書」で、根拠は所得税法第229条です。

国税庁の案内では、対象は「新たに事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき事業の開始等をした方」です。事業を始めたときのほか、事務所を新設・増設・移転・廃止したとき、事業をやめたときにも同じ様式を使います。

開業届と関係する書類の期限

開業届そのものの期限は確定申告期限までですが、一緒に出すことが多い書類は期限がそれぞれ違います。国税庁のタックスアンサー No.2090 と各手続の案内から抜き出しました(令和8年4月1日現在法令等)。

書類出す人期限出す先
個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)事業を始めた人開業した年分の確定申告期限まで税務署
所得税の青色申告承認申請書青色申告をしたい人1月15日までに開業:その年の3月15日まで/1月16日以後に開業:開業の日から2か月以内税務署
青色事業専従者給与に関する届出書家族に給与を払い経費にしたい人原則その年の3月15日まで(1月16日以後の開業などは2か月以内)税務署
給与支払事務所等の開設届出書人を雇って給与を払う人開設の日から1か月以内税務署
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書給与を払う人が常時10人未満の人随時(原則、提出した翌月に払う給与から適用)税務署
事業開始(廃止)等申告書(東京都の場合)都内で事業を始めた人事業の開始の日から15日以内都税事務所など

青色申告の承認申請書は、承認を受けようとする年の12月31日までに処分の通知がなければ、承認されたものとみなされます(11月1日以降に開業した場合は翌年2月15日まで)。

開業届に必要なもの

開業届に必要なものは、届出書本体と、記入するマイナンバー(個人番号)です。そのほかは提出の方法で変わります。

提出の方法必要なもの
e-Tax利用者識別番号(初めての人は取得が必要)。本人確認書類の提示や写しの添付は不要
税務署へ持参届出書、本人確認書類の提示
税務署へ送付届出書、本人確認書類の写し

国税庁の記載要領は、届出書を出す際に「個人番号(12桁)の記載」と「届出をする方の本人確認書類の提示又は写しの添付」が必要だとしています。控えを残す場合は、控えにはマイナンバーを書かないよう注意を促しています。

国税庁の案内に、開業届の手数料の項目はありません。

開業届の出し方:e-Tax・持参・送付の3通り

開業届の出し方は、e-Taxで送る、税務署へ持っていく、郵送する、の3通りです。

  1. e-Taxで出す(オンライン):国税庁の案内は「パソコンからe-Taxソフトで届出書を作成の上、e-Taxにより提出」としています。e-Taxを初めて使う人は、先に利用者識別番号を取得します。
  2. 税務署へ持参する:届出書を印刷して書き、納税地を所轄する税務署に出します。税務署の受付時間は9時から15時までです(令和8年10月1日から全国の税務署で総合窓口の受付時間を原則この時間にしています)。土日祝日と年末年始(12月29日〜1月3日)は開いていません。
  3. 税務署へ送付する:書いた届出書に本人確認書類の写しを添えて郵送します。

提出先は、どの方法でも納税地を所轄する税務署長です。事務所の所在地が納税地と違っても、納税地の税務署以外に出す必要はありません。

開業届の書き方:欄ごとに書くこと

開業届の様式は1枚です。国税庁の様式(個人事業の開業・廃業等届出書)にある欄を、上から順に整理しました。

欄書くこと
提出先・提出日納税地を所轄する税務署名と、出す日
納税地・区分住所地・居所地・事業所等のどれを納税地にするかを番号で選び、その住所
氏名・生年月日・マイナンバー本人の情報
職業・屋号事業の内容がわかる職業名。屋号(店名など)があれば書く
届出の区分「開業」に「1」を書く。事業を引き継いだ場合は引き継いだ先の住所・氏名も
所得の種類不動産所得・山林所得・事業(農業)所得のうち当てはまるものにチェック
開業・廃業等日事業を始めた日
開業に伴う届出書の提出の有無青色申告承認申請書、消費税の課税事業者選択届出書を出すかどうか
事業の概要できるだけ具体的に(何を・どこで・誰に売るか)
給与等の支払の状況専従者・使用人の人数、給与の定め方(日給・月給など)、税額の有無
源泉所得税の納期の特例申請書を出すかどうかと、給与支払を始める年月日

記載要領によると、「給与等の支払の状況」には、届出日現在の給与の支給人員と支払の状況、源泉徴収すべき税額があるかどうかを書きます。

開業届と一緒に決めておきたい青色申告

青色申告とは、一定の帳簿をつけて申告する代わりに、税金の計算で有利な扱いを受けられる制度のことです。国税庁のタックスアンサー No.2070・No.2072 によると、主な特典は次のとおりです。

特典内容
青色申告特別控除複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を期限内の確定申告書に添付すると最高55万円。さらにe-Taxで申告するか優良な電子帳簿で保存すると最高65万円。それ以外は最高10万円
青色事業専従者給与生計を一にする15歳以上の家族に払う給与を、届け出た金額の範囲で必要経費にできる
純損失の繰越し赤字を翌年以後3年間繰り越して、各年の所得から差し引ける

帳簿と書類は原則7年間の保存が必要です(請求書・見積書・納品書など5年でよい書類もあります)。

青色申告をしない人(白色申告)も、記帳と帳簿書類の保存は必要です。国税庁の記載要領は、事業所得などがある白色申告の人にも記帳・帳簿書類保存制度などが適用されると注意しています。

消費税とインボイスの届出は必要か

開業したばかりの個人事業主は、消費税の届出をすぐに出さなくてもよい場合があります。ただし、国税庁の記載要領は、1月1日から6月30日まで(特定期間)に開業し、その期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合には、翌年に消費税の課税事業者になると注意しています。

取引先からインボイス(適格請求書)を求められる事業では、適格請求書発行事業者の登録申請を検討します。タックスアンサー No.2090 では、免税事業者は提出日から15日以降の日を登録希望日として書いて出す、と案内しています。

開業のお金の準備がまだなら、開業資金はいくら必要?で、日本政策金融公庫の調査から開業費用の中央値(600万円)と分布を確かめられます。何から始めるかの全体像は起業するには何から始める?、個人で始めるか会社をつくるかは個人事業主と法人の違いにまとめています。

よくある質問

開業届はいつまでに出せばいいですか?

国税庁の案内(2026年10月26日閲覧)では、事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までです。期限が土日祝日なら翌日が期限になります。

開業届はオンラインで出せますか?

出せます。パソコンのe-Taxソフトで作成してe-Taxで提出します。初めての人は利用者識別番号の取得が必要です。e-Taxなら本人確認書類の写しは要りません。

開業届に必要なものは何ですか?

届出書と、記入するマイナンバー(個人番号)です。書面で出す場合は本人確認書類の提示か写しの添付も必要です。e-Taxで出す場合は不要です。

青色申告の申請は開業届と同時に出すべきですか?

同時でなくても構いませんが期限があります。1月16日以後に開業した場合、青色申告承認申請書は開業の日から2か月以内です。開業届と一緒に出すと忘れません。

出典

  1. 国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(2026年10月26日閲覧)
  2. 国税庁「個人事業の開業・廃業等届出書」書き方(記載要領)(2026年10月26日閲覧)
  3. 国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」(2026年10月26日閲覧)
  4. 弥生「弥生のかんたん開業届」よくあるご質問(令和7年12月31日までの開業の期限)(2026年10月27日閲覧)
  5. 国税庁 タックスアンサー No.2090 新たに事業を始めたときの届出など(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月26日閲覧)
  6. 国税庁 タックスアンサー No.2070 青色申告制度(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月26日閲覧)
  7. 国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月26日閲覧)
  8. 国税庁「A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」(2026年10月26日閲覧)
  9. e-Tax「e-Taxソフトについて」(2026年10月26日閲覧)
  10. 東京都主税局「事業開始(廃止)等申告書の提出はパソコン・スマホから!」(2026年10月26日閲覧)

数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月26日 更新 2026年10月27日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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