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2026/10/26

飲食店の開業に必要な許可と資格|営業許可・食品衛生責任者・防火管理者と届出の時期

飲食店を開くには、保健所の飲食店営業許可と、店ごとに置く食品衛生責任者が必要です。東京都の例では許可の新規手数料は18,000円(令和8年4月1日から)、食品衛生責任者の養成講習会は1日6時間・12,000円。消防署や警察への届出の時期も公式情報で整理しました。

飲食店の許可と資格(東京都の例・2026年10月時点)確かさ A
A飲食店営業許可の新規手数料
18,000円東京都食品衛生関係許可手数料(令和8年4月1日から)。継続は8,900円
A許可申請を出す時期
工事完成予定日の10日くらい前東京都保健医療局の案内。保健所へ
A食品衛生責任者の養成講習会
12,000円東京都食品衛生協会。1日6時間(テスト含む)
A防火管理者が必要になる目安
収容人員30人以上飲食店などがある建物全体の収容人員(東京消防庁)
A防火対象物使用開始届出書
営業開始の7日前まで東京消防庁。内装工事は着手の7日前までに別の届出

飲食店を開くには、保健所の「飲食店営業」の許可と、店ごとに置く食品衛生責任者が必要です。東京都の例では、許可の新規手数料は18,000円(令和8年4月1日から)、食品衛生責任者の養成講習会は1日6時間・12,000円です(2026年10月26日閲覧)。

このほか、建物の規模によって防火管理者を選び、消防署への届出も必要です。深夜にお酒を出す店は警察への届出もあります。ここでは、厚生労働省・東京都保健医療局・東京消防庁・警視庁などの公式情報から、必要なものと出す時期を順に整理します。手数料などは東京都の例で、自治体によって違います。

飲食店の営業許可とは:保健所が店の設備を確かめて出す許可

飲食店の営業許可とは、食品衛生法にもとづき、店の構造や設備が基準を満たしているかを保健所が確かめたうえで出す許可のことです。許可を受けずに飲食店営業をすることはできません。

食品衛生法は2018年に改正され、営業許可の業種が見直されるとともに、許可の要らない業種にも届出の制度ができました(令和3年6月1日施行)。あわせて、原則としてすべての食品等事業者に「HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理」が求められています。HACCPとは、食中毒などの危険を工程ごとに見張る衛生管理の方法です。厚生労働省は、小規模な営業者は公表している手引書を参考に簡略化したやり方で取り組めるとしています。

飲食店の開業に必要な許可・資格・届出の一覧

飲食店の開業で必要になる主なものを、窓口と時期ごとにまとめました(東京都の例)。

必要なもの種類窓口時期・費用(東京都の例)
飲食店営業許可許可保健所工事完成予定日の10日くらい前に申請。新規18,000円
食品衛生責任者資格(店ごとに1人)東京都食品衛生協会の講習会など許可申請のときに資格を示す書類が必要。講習会12,000円
防火管理者資格(建物の規模で必要)消防署・東京消防庁の講習甲種は2日間、乙種は1日の講習
防火対象物工事等計画届出書届出消防署工事を始める7日前まで
防火対象物使用開始届出書届出消防署営業開始の7日前まで
深夜における酒類提供飲食店営業の届出届出(該当する店だけ)公安委員会(東京都は警視庁が案内)営業を始める前に営業所ごと
開業届など税務の届出届出税務署開業届は開業した年の確定申告期限まで

税務の届出は、開業届の出し方と期限で詳しく説明しています。

営業許可の取り方:申請から許可までの手順

営業許可は、物件と内装の計画が固まったら保健所に相談し、工事の完成前に申請して、施設の検査を受けて取ります。東京都保健医療局の案内をもとに手順を並べました。

  1. 図面の段階で保健所に相談する:店の構造や設備が施設基準に合うかを、工事の前に確かめておくと手戻りを防げます(編集部のすすめ)。
  2. 申請書類を出す:施設の工事完成予定日の10日くらい前に、店の所在地を所管する保健所へ出します。
  3. 施設の検査を受ける:申請か施設の検査のときに、衛生管理計画も確認されます。
  4. 許可を受けてから営業を始める。

東京都の一般営業施設の新規申請で必要な書類は次のとおりです。

書類補足
営業許可申請書東京都のページからPDF・Excelで入手
施設の構造及び設備を示す図面2通
食品衛生責任者の資格を証明するもの食品衛生責任者手帳など
水質検査成績書水道水などを使わない場合だけ
許可申請手数料飲食店営業の新規は18,000円

法人の場合は、申請書に書いた法人番号などで法人の存在を確かめるとしています。申請は保健所の窓口のほか、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」からオンラインでもできます。

開業後に営業許可の内容を変えたとき(食品衛生責任者の交代、設備の変更など)は、変更のあった日から10日以内に届け出ます。

食品衛生責任者とは:店の衛生管理を担う人

食品衛生責任者とは、営業許可を受ける店ごとに置き、衛生管理の中心になる人のことです。東京都の営業許可の申請には、食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳など)が必要です。

資格の取り方は2つあります。

  • すでに持っている資格で就く:調理師・栄養士・管理栄養士・製菓衛生師・食鳥処理衛生管理者・船舶料理士などの資格がある人は、講習会を受けずに食品衛生責任者になれます。
  • 養成講習会を受ける:東京都では、東京都知事の指定を受けた一般社団法人東京都食品衛生協会が「食品衛生責任者養成講習会」を開いています。
東京都の養成講習会(会場集合型)内容
講習時間午前9時45分〜午後4時30分の6時間(テスト含む)
講習内容食品衛生学2時間30分、公衆衛生学30分、食品衛生法3時間
受講料12,000円(受講料10,000円+教材費等2,000円)。当日現金払い
受講資格経験・学歴は問わない。17歳以上(高校生は不可)
修了証講習の終わりに修了証(手帳)を受け取る

会場に行く形のほか、eラーニング型の講習会もあります。

防火管理者は必要か:建物全体の収容人員30人以上が目安

防火管理者とは、建物の防火の計画をつくり、消火・避難の訓練などを行う責任者のことです。東京消防庁によると、飲食店・店舗など不特定多数の人が出入りする用途がある建物で、建物全体の収容人員が30人以上の場合に選ぶ必要があります。

防火管理者が必要な建物では、建物の所有者とすべてのテナントがそれぞれ選任します。小さな店でも、入居するビル全体の収容人員が30人以上なら対象になりえます。

資格は甲種と乙種の2種類で、建物の用途や規模でどちらが必要かが決まります。東京消防庁の講習では、甲種は2日間、乙種は1日で資格を取れます。東京消防庁の講習を受けられるのは、東京消防庁の管内で防火管理者になる予定の人だけです。

消防署への届出:工事の7日前と営業開始の7日前

消防署には、内装工事と営業開始の前に、それぞれ届出を出します。東京消防庁の「飲食店を開業する方へ」によると、流れは次のとおりです。

  1. 工事を始める7日前まで:防火対象物工事等計画届出書
  2. 工事
  3. 営業開始の7日前まで:防火対象物使用開始届出書
  4. 消防検査

添付書類(防火対象物概要表、案内図、室内仕上表、平面図など)は2つの届出で同じものを使い、各届出のときに2部出します。ビルの1室に入る場合は、その階全体の平面図も付けます。

深夜にお酒を出すなら警察への届出も必要

深夜(午前0時から午前6時)に酒類を出す飲食店は、営業所ごとに公安委員会への届出が必要です(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第33条)。警視庁は、バーや酒場などで、深夜に設備を設けて客に酒類を提供する飲食店営業を対象としています。通常主食と認められる食事を出すことを常とする店は除かれます。

警視庁の案内では、届出に必要な書類は次のとおりです。

  • 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書(別記様式第47号)
  • 営業の方法を記載した書類(別記様式第48号)
  • 営業所の平面図
  • 住民票(本籍記載のもの)
  • 法人の場合は、定款・法人登記事項証明書と役員全員の住民票

客の接待をして飲食させる店は、届出ではなく風俗営業の許可が必要になる場合があります。業態を決めたら、管轄の警察署に確かめてください。

開業前の準備はお金の計画と並行して

許可の基準に合う設備をそろえるには、内装工事の費用がかかります。京都府の古民家で喫茶を開いた柊結舎は、保健所の許可に必要なキッチン改装などを先に自己資金で進めました。シェフひとりで営むmilleのように小さな店でも、許可の基準は同じです。

飲食店の開業費用の全体像は開業資金はいくら必要?で、日本政策金融公庫の調査をもとに確かめられます。

よくある質問

飲食店を開くのに必要な資格は何ですか?

店ごとに食品衛生責任者を置きます。調理師や栄養士などの資格がない人は、養成講習会で取れます。東京都では1日6時間・12,000円です(東京都食品衛生協会)。

飲食店の営業許可の手数料はいくらですか?

自治体ごとに違います。東京都の例では飲食店営業の新規が18,000円です(令和8年4月1日から)。23区などは各区の保健所に確かめてください。

営業許可の申請はいつ出せばいいですか?

東京都保健医療局は、施設の工事が終わる予定日の10日くらい前に保健所へ書類を出すよう案内しています。図面の段階で保健所に相談しておくと安全です。

深夜にお酒を出す店は届出が必要ですか?

午前0時から6時の深夜に、主食を出すのを常としない形で酒類を提供する飲食店は、営業所ごとに都道府県の公安委員会への届出が必要です(風営法第33条)。

出典

  1. 厚生労働省「営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報」(2026年10月26日閲覧)
  2. 厚生労働省「食品衛生法の改正について」(2026年10月26日閲覧)
  3. 東京都保健医療局「食品衛生の窓」営業許可・届出の概要(2026年10月26日閲覧)
  4. 東京都保健医療局「東京都食品衛生関係許可手数料」(令和8年4月1日から適用)(2026年10月26日閲覧)
  5. 一般社団法人東京都食品衛生協会「食品衛生責任者養成講習会」(2026年10月26日閲覧)
  6. 港区「食品衛生責任者の資格をとりたい。」(2026年10月26日閲覧)
  7. 東京消防庁「防火管理者が必要な防火対象物と資格」(2026年10月26日閲覧)
  8. 東京消防庁「飲食店を開業する方へ」(届出の時期と書き方)(2026年10月26日閲覧)
  9. 警視庁「風俗営業等業種一覧」(2026年10月26日閲覧)
  10. 警視庁「性風俗関連特殊営業、深夜における酒類提供飲食店営業の届出」(2025年11月10日更新・2026年10月26日閲覧)

数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月26日

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