
2026/10/28
法人の開業届(法人設立届出書)の出し方|提出先・期限2か月と一緒に出す書類
法人の開業届にあたる「法人設立届出書」は、設立登記の日から2か月以内に、定款の写しを添えて納税地の税務署へ出します。東京都の都税事務所は15日以内、社会保険の新規適用届は5日以内と、税務署より短い期限もあります。国税庁・東京都主税局・日本年金機構の案内から整理しました。
- A法人設立届出書(税務署)
- 設立の日以後2か月以内定款等の写しを添付。e-Taxか書面(国税庁 C1-4)
- A法人設立届出書(東京都の都税事務所)
- 15日以内市町村はそれぞれの定める期間内(東京都主税局の記載要領)
- A健康保険・厚生年金保険の新規適用届
- 事実発生から5日以内事業主のみの法人も対象。年金事務所などへ
- A給与支払事務所等の開設届出書
- 1か月以内給与の支払事務を扱う事務所を開設した日から
- A青色申告の承認申請書
- 設立の日以後3か月3か月を経過した日と第1期の終了日のいずれか早い日の前日まで
- A消費税が1期目から課税になる資本金
- 1,000万円以上期首の資本金の額。新設法人の納税義務の免除の特例
法人の開業届にあたる書類は「法人設立届出書」で、設立の日(設立登記の日)以後2か月以内に、定款等の写しを添えて納税地の所轄税務署長に出します(国税庁 C1-4、2026年10月28日閲覧)。ただし、東京都の都税事務所へは15日以内、健康保険・厚生年金保険の新規適用届は5日以内と、税務署より短い期限の手続が先に来ます。
個人事業主の開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は法人には使いません。このページでは、会社を設立したあとに出す書類を、提出先と期限の順に整理します。個人事業の開業届は開業届の出し方と期限をご覧ください。
法人設立届出書とは:会社を作ったことを税務署などに知らせる書類
法人設立届出書とは、株式会社や合同会社などの法人を設立したことを、税務署・都道府県・市町村に知らせるための届出書のことです。根拠は法人税法第148条と法人税法施行規則第63条です。
国税庁の案内では、対象は内国法人である普通法人または協同組合等です。一般社団法人・一般財団法人で非営利型法人に当たる場合は公益法人等になるため、法人設立届出書は要りません(新たに収益事業を始めた場合は、収益事業開始の届出が必要です)。
| 項目 | 内容(国税庁 C1-4) |
|---|---|
| 提出時期 | 法人設立の日(設立登記の日)以後2か月以内 |
| 提出先 | 納税地の所轄税務署長 |
| 提出方法 | e-Taxソフトで作成・提出。書面なら1部を持参か送付 |
| 添付書類 | 定款、寄附行為、規則または規約の写し |
| 税務署の受付時間 | 9時から15時まで(令和8年10月1日から総合窓口の原則) |
提出先は3か所:税務署・都道府県・市町村
法人設立届出書は、国税(法人税)の税務署だけでなく、地方税(法人住民税・法人事業税)のために都道府県と市町村にも出します。東京都主税局の記載要領は、設立の日以後2か月以内(都税事務所においては15日以内、市町村においてはそれぞれの定める期間内)に、税務署長・都税事務所長・市町村長へ出すとしています。
| 提出先 | 期限 | 添付書類(東京都の記載要領) |
|---|---|---|
| 納税地の所轄税務署 | 設立の日以後2か月以内 | 定款等の写し |
| 都税事務所(東京都の場合) | 15日以内 | 定款等の写し |
| 市町村 | 市町村が定める期間内 | 定款等の写し、設立の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)または登記簿謄本 |
東京都の記載要領によると、登記事項証明書は税務署と都税事務所には要りません。市町村によってはオンライン登記情報提供制度の照会番号を書けば、証明書の添付が要らない場合もあります。資本金1億円以上の内国普通法人は、税務署提出用が2通必要です。
一緒に出す書類と期限の一覧
法人設立届出書のほかにも、設立直後に期限が来る書類があります。国税庁のタックスアンサー No.5100 と各手続の案内、日本年金機構の案内から、期限の短い順に並べました。
| 書類 | 出す人 | 期限 | 出す先 |
|---|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 法人(事業主のみの場合を含む) | 事実発生から5日以内 | 事務センターまたは年金事務所 |
| 法人設立届出書(東京都の場合) | 都内で設立した法人 | 15日以内 | 都税事務所 |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 給与の支払事務を扱う事務所を開設した法人 | 開設の日から1か月以内 | 事務所の所在地の税務署 |
| 法人設立届出書 | 普通法人・協同組合等 | 設立の日以後2か月以内 | 納税地の税務署 |
| 事前確定届出給与に関する届出書 | 役員に決まった時期・額の賞与を払う法人 | 設立の日以後2か月を経過する日まで | 税務署 |
| 青色申告の承認申請書 | 第1期から青色申告にしたい法人 | 設立の日以後3か月を経過した日と第1期の終了日のいずれか早い日の前日まで | 税務署 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 給与の支給人員が常時10人未満の法人 | 提出は任意(提出した月の翌月に源泉徴収する分から適用) | 税務署 |
役員報酬を払う会社は、社長1人でも給与の支払者になります。新規適用届と同時に出す必要がある書類もあり、日本年金機構が「新規加入に必要な書類一覧」で案内しています。
法人の青色申告の承認申請:期限は「3か月」と「第1期の終わり」の早いほう
法人の青色申告の承認申請書は、設立第1期から青色申告にするなら、設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日のうち、いずれか早い日の前日までに出します。
第1期が短い会社は注意が必要です。たとえば決算月をすぐ後に置いた場合、3か月を待たずに第1期が終わるので、期限も第1期の終了日の前日になります。設立から第1期の終わりまでが3か月に満たない場合は、翌事業年度について同じように判定します(国税庁 C1-19)。
申請書を出したあと、青色申告にしようとする事業年度の終了の日(中間申告が必要な法人は、その事業年度開始の日以後6月を経過する日)までに承認も却下もなければ、承認があったものとみなされます。令和8年10月1日以後に申請する場合は、承認を受けようとする事業年度終了の日の欄などは記載が不要になりました。
青色申告の特典の考え方は、個人の制度を例に青色申告とはで説明しています。
消費税:資本金1,000万円以上なら1期目から課税
新しく作った法人は、設立1期目と2期目は基準期間(前々事業年度)がないため、原則として消費税の納税義務が免除されます。ただし、国税庁のタックスアンサー No.6503 によると、期首の資本金の額または出資の金額が1,000万円以上の「新設法人」は免除されず、課税事業者として申告が必要です。
新設法人に当たる場合は「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」を出すことになっていますが、法人設立届出書にその旨と所定の事項を書いて出せば、届出書の提出があったものとして扱われます。
資本金が1,000万円未満でも、適格請求書発行事業者(インボイスの登録事業者)である場合などは免税になりません。資本金をいくらにするかは、登録免許税などの設立費用と合わせて個人事業主と法人の違いで比べられます。
出し方:e-Tax・書面・法人設立ワンストップサービス
法人設立届出書の出し方は、e-Taxで送る、書面で持参・送付する、マイナポータルの法人設立ワンストップサービスでまとめて出す、の3通りです。
- e-Taxで出す:e-Taxソフトで届出書を作成して提出します。e-Taxを初めて使う法人は、利用者識別番号を取得します。
- 書面で出す:届出書と添付書類を1部、税務署に持参するか送付します。都税事務所・市町村にも別に出します。
- 法人設立ワンストップサービスで出す:国税・地方税の設立届と、年金事務所・ハローワークへの雇用に関する届出など、法人設立後に必要な手続を一度に行えます。「かんたん問診」に答えると、必要な手続が表示されます。
ワンストップサービスには、法人代表者のマイナンバーカードと、マイナンバーカードに対応したスマートフォンかパソコン(パソコンならICカードリーダライタ)が要ります。運用時間は24時間ですが、e-Tax受付時間外に出した国税の手続は翌稼働日の提出扱いになるため、期限の当日に出すときは注意します。
よくある質問
法人にも開業届はありますか?
個人の開業届にあたるのは「法人設立届出書」です。設立登記の日から2か月以内に、定款等の写しを添えて納税地の所轄税務署長に出します(国税庁 C1-4)。
法人設立届出書は税務署だけに出せばいいですか?
都道府県と市町村にも出します。東京都の記載要領では、都税事務所へは設立の日以後15日以内、市町村へはそれぞれの定める期間内に出すとしています。
法人の青色申告の申請はいつまでですか?
設立第1期から青色申告にするなら、設立の日以後3か月を経過した日と第1期の事業年度終了の日のうち、いずれか早い日の前日までに出します(国税庁 No.5100)。
社長1人の会社でも社会保険の手続は必要ですか?
必要です。日本年金機構は、事業主のみの場合を含めて常時従業員を使用する法人事業所を対象とし、新規適用届を事実発生から5日以内に出すよう案内しています。
法人の設立届はオンラインで出せますか?
出せます。e-Taxのほか、マイナポータルの法人設立ワンストップサービスで国税・地方税の設立届や年金事務所への届出をまとめて出せます。代表者のマイナンバーカードが要ります。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.5100 新設法人の届出書類(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月28日閲覧)
- 国税庁「C1-4 内国普通法人等の設立の届出」(2026年10月28日閲覧)
- 国税庁「C1-19 青色申告書の承認の申請」(2026年10月28日閲覧)
- 国税庁「A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」(2026年10月28日閲覧)
- 東京都主税局「法人設立・設置届出書の記載要領」(2026年10月28日閲覧)
- 日本年金機構「新規適用の手続き」(2026年10月28日閲覧)
- 国税庁「法人設立ワンストップサービスの対象が全ての手続に拡大されました」(2026年10月28日閲覧)
- 国税庁 タックスアンサー No.6503 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例(2026年10月28日閲覧)
- 国税庁 タックスアンサー No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例(2026年10月28日閲覧)
数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく
公開 2026年10月28日
前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。
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