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2026/10/26

青色申告とは?特別控除65万円・55万円・10万円の条件と期限|個人事業主の税金の基本

#税金・確定申告

青色申告をすると、事業の所得から最高65万円(条件により55万円・10万円)を差し引けます(国税庁)。青色申告承認申請書の期限(開業から2か月以内など)、確定申告の期限(翌年3月15日)、帳簿の保存期間7年まで、個人事業主が最初に知っておく税金の基本をまとめました。

青色申告の数字(令和8年4月1日現在法令等)確かさ A
A青色申告特別控除(最高)
65万円複式簿記+e-Taxでの申告または優良な電子帳簿
A複式簿記で期限内に申告
55万円貸借対照表と損益計算書を添付
A上記以外の青色申告者
10万円簡易な帳簿でも受けられる
A青色申告承認申請書の期限
開業から2か月以内1月16日以後に開業した場合。原則はその年の3月15日
A確定申告の期限
翌年3月15日申告の期間は原則2月16日から
A帳簿の保存期間
7年請求書・見積書・納品書などは5年でよい

青色申告をすると、事業の所得から最高65万円を差し引ける「青色申告特別控除」が受けられます(国税庁)。複式簿記で期限内に申告すれば55万円、さらにe-Taxで申告するか優良な電子帳簿で保存すれば65万円、それ以外の青色申告者は10万円です。開業した年から使うには、業務を始めた日から2か月以内に「青色申告承認申請書」を出します(1月16日以後に開業した場合)。

この記事では、国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)をもとに、個人事業主が開業してから最初の確定申告までに知っておきたい税金の基本をまとめます。

青色申告とは

青色申告とは、一定の水準で帳簿をつけ、その帳簿に基づいて正しく申告する人が、所得の計算で有利な扱いを受けられる制度のことです。青色申告ではない申告は、一般に「白色申告」と呼ばれます。

所得税は、1月1日から12月31日までの1年間の所得を自分で計算して申告し、納める仕組みです。青色申告ができるのは、不動産所得・事業所得・山林所得のある人です。事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生じる所得のことで、総収入金額から必要経費を引いて計算します。

青色申告の主な特典は次のとおりです。

特典内容
青色申告特別控除所得から最高65万円・55万円・10万円を差し引ける
青色事業専従者給与事業を手伝う家族への給与を必要経費にできる
純損失の繰越し赤字を翌年以後3年間にわたって繰り越せる
純損失の繰戻し前年も青色申告なら、赤字を前年に繰り戻して還付を受けられる
貸倒引当金年末の売掛金などの5.5%以下を必要経費にできる(金融業は3.3%)

青色申告特別控除は65万円・55万円・10万円

控除額は、帳簿のつけ方と申告のしかたで3段階に分かれます。

控除額条件
65万円55万円の条件に加えて、e-Taxで申告書・貸借対照表・損益計算書等を期限までに送信する、または仕訳帳と総勘定元帳を優良な電子帳簿で保存する
55万円不動産所得か事業所得を生ずべき事業を営み、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添えて期限内に申告する
10万円上の条件に当たらない青色申告者

複式簿記とは、ひとつの取引を「何が増えて、何が減ったか」の両面から記録する帳簿のつけ方です。会計ソフトを使えば、日々の入力から貸借対照表と損益計算書をつくれます。

たとえば事業所得が300万円の人が65万円の控除を受けると、控除後の所得は235万円になります(300万円−65万円。編集部の計算)。所得の金額が控除額より少ない場合は、その金額が限度です。

青色申告を始める手続きと期限

青色申告をするには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に出しておく必要があります。期限は開業の時期で変わります。

ケース青色申告承認申請書の提出期限
原則(すでに事業をしている人が切り替える)青色申告をしようとする年の3月15日
その年の1月16日以後に新しく開業した業務を開始した日から2か月以内

開業してから最初の確定申告までに出す主な書類は、次の順番で考えると漏れがありません。

  1. 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届):国税庁の手続案内では、事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までに、納税地の所轄税務署長に出すとされています。
  2. 青色申告承認申請書:1月16日以後の開業なら、開業から2か月以内です。
  3. 青色事業専従者給与に関する届出書(家族に給与を払う場合):その年の3月15日まで。1月16日以後に開業した場合や新たに専従者ができた場合は、その日から2か月以内です。
  4. 日々の記帳:売上・仕入・経費を帳簿につけ、領収書などを保存します。
  5. 確定申告:翌年2月16日から3月15日までに申告し、3月15日までに納めます。

帳簿のつけ方と保存期間

青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書をつくれる正規の簿記が原則です。ただし、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備えて簡易な記帳をするだけでもよいとされています(この場合の控除は10万円)。

保存期間は、帳簿と書類が原則7年間です。請求書、見積書、納品書、送り状など、5年間の保存でよい書類もあります。

白色申告でも、事業所得などがある人には記帳と保存の義務があります。白色申告者の場合、収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)は7年、それ以外の帳簿(任意帳簿)は5年の保存です。

家族に払う給与:青色事業専従者給与

青色申告者は、生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の12月31日現在で15歳以上、かつその年を通じて6か月を超える期間、事業に専ら従事している人に払った給与を、必要経費にできます。事前に届出書を出し、記載した金額の範囲内で、労務の対価として相当な額であることが条件です。

白色申告では、家族への給与は必要経費になりません。代わりに「事業専従者控除」として、配偶者は最高86万円、15歳以上のその他の親族は最高50万円を差し引けます。どちらの場合も、専従者は同一生計配偶者や扶養親族にはなれません。

消費税は「前々年の課税売上高1,000万円」で判定

所得税とは別に、消費税にも注意が必要です。個人事業者は、前々年の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として消費税の納税義務が免除されます(免税事業者)。

ただし、適格請求書発行事業者(インボイス)の登録を受けると、課税売上高が1,000万円以下でも納税義務は免除されません。前年1月1日から6月30日までの課税売上高が1,000万円を超えた場合も同じです(給与等の支払額で判定することもできます)。なお、小規模事業者持続化補助金には、一定の時期に免税事業者だった事業者や2023年10月1日以降に創業した事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けた場合に、補助上限を50万円上乗せする「インボイス特例」があります(小規模事業者持続化補助金とは)。

確定申告書はほかの手続きでも使う

確定申告書は、税金のためだけの書類ではありません。小規模事業者持続化補助金に個人事業主が申請するときは、直近の確定申告書(第一表・第二表と、収支内訳書または所得税青色申告決算書)の写しを出します。融資の相談でも、事業の数字を説明する材料になります(日本政策金融公庫の創業融資)。

開業前にかかるお金の目安は開業資金はいくら必要?、資金の集め方は開業資金の集め方にまとめています。

よくある質問

青色申告特別控除の65万円を受ける条件は何ですか?

複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添えて期限内に申告することに加え、e-Taxで申告するか、仕訳帳と総勘定元帳を優良な電子帳簿で保存することが条件です。

開業した年から青色申告にできますか?

できます。その年の1月16日以後に開業した場合は、業務を開始した日から2か月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に出します。

確定申告はいつまでですか?

所得税の確定申告の期間は、原則としてその年の翌年2月16日から3月15日までです。申告と納付の期限は、原則として翌年3月15日です。

家族に払う給料は経費になりますか?

青色申告なら、事業に専ら従事する15歳以上の生計を一にする家族への給与を、届出書の金額の範囲内で、労務の対価として相当な額まで必要経費にできます。

帳簿はいつまで保存すればいいですか?

青色申告者の帳簿と書類は原則7年間の保存です。請求書、見積書、納品書、送り状など、書類によっては5年間でよいものもあります(国税庁)。

出典

  1. 国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月26日閲覧)
  2. 国税庁 タックスアンサー No.2070 青色申告制度(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月26日閲覧)
  3. 国税庁 タックスアンサー No.2020 確定申告(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月26日閲覧)
  4. 国税庁 タックスアンサー No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月26日閲覧)
  5. 国税庁 タックスアンサー No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月26日閲覧)
  6. 国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(2026年10月26日閲覧)
  7. 国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」(2026年10月26日閲覧)
  8. 国税庁 タックスアンサー No.6501 納税義務の免除(2026年10月26日閲覧)

数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月26日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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