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2026/10/28

介護タクシーを開業するには|一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可要件と流れ

介護タクシーを開業するには、運輸支局に「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」の許可を申請します。車両は1営業所に1両以上、自己資金は所要資金の50%以上、営業所と車庫は1年以上の使用権原が要ります。法令試験(30問・40分)から運輸開始届まで、運輸局の許可基準と手引きで整理しました。

介護タクシー(福祉輸送事業限定)の許可の数字確かさ A
A最低車両数
1営業所に1両以上四国運輸局の処理方針(令和8年2月9日一部改正)
A自己資金
所要資金の50%以上かつ事業開始当初に要する資金の100%以上を申請日以降常時確保
A営業所・車庫・休憩施設
1年以上の使用権原車庫は原則営業所に併設。併設できない場合は直線2キロメートル以内
A法令試験
30問・40分○×方式の筆記試験。申請後1ヶ月程度で実施(四国運輸局)
A標準処理期間
2ヶ月四国運輸局。中部運輸局は3ヶ月としている
A許可後の登録免許税
3万円許可書の交付時に案内される手続の1つ

介護タクシーを開業するには、営業所を管轄する運輸支局に「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」の許可を申請します。四国運輸局の処理方針(令和8年2月9日一部改正)では、車両は1営業所に1両以上、自己資金は所要資金の50%以上、営業所と車庫には1年以上の使用権原(借りる・持つなどして使える権利)が求められます。

申請のあと、法令試験(30問・40分)と審査を経て許可が出るまでの標準処理期間は、四国運輸局で2ヶ月、中部運輸局で3ヶ月です。この記事では、運輸局が公開している許可基準と手引きをもとに、介護タクシーの開業に必要な条件と流れを整理します。

介護タクシーとは:運べる人を限ったタクシー事業

介護タクシーとは、要介護認定を受けた人や身体障害者手帳を持つ人などに運ぶ相手を限って営む、タクシー事業の一つです。法律上の名前は「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」で、道路運送法第6条に基づいて審査されます。

四国運輸局の処理方針では、運べるのは次の人とその付添人に限られます。

運べる人根拠
要介護認定を受けている人介護保険法第19条第1項
要支援認定を受けている人介護保険法第19条第2項
身体障害者手帳の交付を受けている人身体障害者福祉法第4条
障害などで単独での移動が困難で、公共交通機関を使うのが難しい人肢体不自由、内部障害、精神障害、知的障害など
消防機関などを介して患者等搬送事業者の搬送を受ける患者消防機関と連携するコールセンター経由

四国運輸局は、訪問介護事業を経営している人が、訪問介護サービスに連動して有償で輸送サービスを行う場合も、この許可が必要だと案内しています。訪問介護事業所の指定や、介護保険の「通院等乗降介助」の単位数は訪問介護事業所の開業にまとめています。

許可の主な要件:車両・営業所・車庫・人・お金

許可の要件は、物(車両・営業所・車庫)、人(運転者と管理体制)、お金(資金計画)の3つに分かれます。四国運輸局の処理方針から主なものを抜き出しました。

項目主な基準(四国運輸局の処理方針)
営業区域原則として県単位
営業所営業区域内にあり、土地・建物に1年以上の使用権原がある。建築基準法・都市計画法・消防法・農地法などに抵触しない
最低車両数1営業所に1両以上
車両リフト・スロープ・寝台や回転シートなどを備えた福祉自動車。セダン型などの一般車両も、要件を満たす人が乗務すれば使える
自動車車庫原則として営業所に併設。併設できない場合は、営業所から直線で2キロメートルの範囲内。配置する車両をすべて収容できる
休憩・仮眠施設事業計画に見合う規模で、1年以上の使用権原がある
管理体制法人なら役員のうち1名以上が専従。営業所ごとに常勤の有資格の運行管理者を確保する計画がある
保険計画するすべての車両が、国の基準に合う任意保険か共済に加入する計画がある

四国運輸局の申請書の記載例には、運行管理者・指導主任者は原則として運転者と兼任できないという注意書きがあります。ひとりで始める場合は、運行管理をだれが担うかを申請前に運輸支局に相談しておきます。

運転者に必要な免許と資格

介護タクシーの運転者には、第二種免許が必要です。道路交通法第86条は、旅客自動車を旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者は、自動車の種類に応じた第二種免許を受けなければならないと定めています。普通自動車なら普通第二種免許です。

車両の種類によって、運転者に求められる資格も変わります(四国運輸局の処理方針)。

乗務する車両運転者の資格
福祉自動車(リフト・スロープ・回転シートなど)福祉タクシー乗務員研修の修了、介護福祉士、訪問介護員、サービス介助士のいずれかを満たすよう努める
セダン型などの一般車両介護福祉士、訪問介護員、居宅介護従業者のいずれかの資格が必要

開業資金:所要資金の50%以上を自己資金で

介護タクシーの許可では、開業に必要なお金(所要資金)を決まった方法で計算し、その50%以上、かつ事業開始当初に要する資金の100%以上を自己資金として、申請日以降常に確保していることが求められます(四国運輸局の処理方針)。

所要資金に入れる費用は次のとおりです。

費用計算の仕方
車両費取得価格(未払金を含む)。リースなら1年分の賃借料など
土地費・建物費取得価格。借りるなら1年分の賃借料など
機械器具・什器備品取得価格
運転資金人件費・燃料油脂費・修繕費などの2か月分
保険料等保険料と租税公課の1年分
その他創業費など開業に要する費用の全額

「事業開始当初に要する資金」は、車両や建物の頭金と2か月分の分割払い・賃借料、それに備品・運転資金・保険料・創業費などを合わせた額です。一括で車を買うなら、車両費の全額が入ります。

自己資金の割合が決まっているため、融資だけで始めることは難しい業種です。開業資金全体の考え方は開業資金はいくら必要?、融資の制度は日本政策金融公庫の創業融資をご覧ください。

申請から開業までの流れ

介護タクシーの開業までの流れは、申請→法令試験と聞き取り→審査→許可→運賃の認可と車両登録→運輸開始届の順です。四国運輸局と中部運輸局の案内をもとに整理しました。

  1. 許可申請書を出す:営業所を管轄する運輸支局に出します。手引きと様式は運輸支局の窓口や運輸局のホームページで手に入ります。
  2. 法令試験とヒアリングを受ける:四国運輸局では、申請後1ヶ月程度で書面で通知し、道路運送法などから○×方式で30問、試験時間40分の筆記試験を行います。
  3. 審査を待つ:許可基準に合わない申請は却下されます。標準処理期間は四国運輸局で2ヶ月、中部運輸局で3ヶ月で、補正が要ればさらに延びます。
  4. 許可書を受け取り、手続を進める:登録免許税(3万円)の納付、運賃・運送約款の認可申請、帳票類と営業所・車庫などの整備、事業用自動車の登録などを行います。法人は定款の目的に「一般乗用旅客自動車運送事業」を加えます。
  5. 運賃の認可を受ける:中部運輸局の案内では、不備がなければ約2ヶ月で認可になります。運賃は距離制・時間制などから選びます。四国運輸局では、許可申請と同時に申請することもできます。
  6. 運輸開始届を出す:車検証や自動車保険の写しを添えて運輸支局に出します。運輸開始までの期間は許可後6ヶ月間です。

中部運輸局のチェックシートには、事業開始後にだれを運ぶか、集客の方法と見込みを具体的に書く欄があります。勤めていた介護事業所や近隣の介護施設から、月に何件の依頼が見込めるかを、申請の段階で書けるようにしておきます。

個人で始めるか、会社で始めるか

介護タクシーは個人でも法人でも申請できます。法人で申請する場合は、役員のうち1名以上が専従することと、定款の目的に事業を加えることが求められます。訪問介護事業所の指定を受けて介護保険のサービスと組み合わせる場合は、指定の要件も別に確かめる必要があります。個人と法人の違いは個人事業主と法人の違いで比べられます。

よくある質問

介護タクシーを開業するには何の許可が必要ですか?

道路運送法に基づく「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」の許可です。営業所を管轄する運輸支局に申請し、法令試験と審査を経て許可を受けます。

介護タクシーは車1台で開業できますか?

できます。四国運輸局の処理方針では、最低車両数は1営業所に1両以上です。車庫は原則として営業所に併設し、配置する車両をすべて収容できる必要があります。

介護タクシーの運転に必要な免許は何ですか?

旅客を運ぶ目的で運転するため、道路交通法第86条の第二種免許が必要です。セダン型の一般車両で運ぶ場合は、介護福祉士や訪問介護員などの資格も求められます。

介護タクシーの開業にはいくら自己資金が要りますか?

四国運輸局の基準では、所要資金の50%以上、かつ事業開始当初に要する資金の100%以上の自己資金を、申請日以降常に確保している必要があります。

申請から開業までどのくらいかかりますか?

標準処理期間は四国運輸局で2ヶ月、中部運輸局で3ヶ月です。許可後も運賃の認可(中部運輸局で約2ヶ月)や車両登録があり、運輸開始は許可後6ヶ月以内です。

出典

  1. 四国運輸局「介護タクシー事業を開始するまで」(2026年10月28日閲覧)
  2. 四国運輸局「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可申請事案及び事業計画変更認可申請事案等の処理方針について」(令和8年2月9日一部改正・2026年10月28日閲覧)
  3. 四国運輸局「一般乗用旅客自動車運送事業経営許可申請書」記載例(2026年10月28日閲覧)
  4. 四国運輸局「介護タクシー関係」(2026年10月28日閲覧)
  5. 中部運輸局「介護タクシー事業の経営許可までの流れ」(2026年10月28日閲覧)
  6. 道路交通法 第86条(e-Gov法令検索 API)(2026年10月28日閲覧)

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監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月28日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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