
2026/10/27
コインランドリー経営の開業資金と利回り|儲からないと言われる理由と保健所の届出
コインランドリーの出店費用は1,500万〜2,500万円程度が一般的とWASHハウスは案内しています。機器メーカーの目安では小型店の月売上は60万円ほどで、ランニングコストは売上の50%ほど。届出の要綱、フランチャイズの仕組み、儲からないと言われる理由を公開情報で整理しました。
- A出店費用の一般的な水準
- 1,500万円 ~ 2,500万円程度WASHハウスの案内。同社の標準タイプは約2,063万円(平成29年5月時点・工事費除く)
- A小型店(15〜20坪)の初期費用
- 2,000〜2,500万円機器メーカーの目安。機器一式1,300万円〜、工事費700万円〜
- A小型店の平均月売上
- 60万円ほど機器メーカー(エレクトロラックス・プロフェッショナル)の目安
- Aランニングコスト
- 売上の50%ほど同じ機器メーカーの目安。月売上60万円なら30万円
- A開設届の提出期限(福島市)
- 営業開始予定日の10日前まで事前相談のあと開設届を出し、施設検査を受ける
- AWASHハウスの総店舗数
- 561店舗2026年9月30日現在。うち九州エリア405店舗
コインランドリーの出店費用は、1,500万円〜2,500万円程度が一般的だとWASHハウスは案内しています(WASHハウス「コインランドリービジネスのQ&A」、2026年10月27日閲覧)。機器メーカーのエレクトロラックス・プロフェッショナルの目安では、15〜20坪の小型店の月売上は60万円ほどで、ランニングコストは売上の50%ほどです。
人を置かずに運営できる一方で、売上は立地でほぼ決まり、初期費用の回収には年単位の時間がかかる事業です。ここでは、厚生労働省・自治体の公開資料と、上場しているコインランドリーチェーンや機器メーカーの公式情報から、特徴・お金・始め方を整理します。
| 項目 | 数字 | 出典 |
|---|---|---|
| 出店費用(一般的な水準) | 1,500万円〜2,500万円程度 | WASHハウス |
| 小型店(15〜20坪)の初期費用 | 2,000〜2,500万円 | エレクトロラックス・プロフェッショナル |
| 小型店の平均月売上 | 60万円ほど | 同上 |
| ランニングコスト | 売上の50%ほど | 同上 |
| 全国の施設数 | 16,693施設(平成25年度) | 厚生労働省 |
コインランドリーとは?クリーニング店との違い
コインランドリーとは、洗濯機や乾燥機を置き、お客さん自身に使ってもらう営業のことです。行政の言葉では「コインオペレーションクリーニング営業」と呼びます。宮城県の要綱は「洗濯機、乾燥機等の洗濯に必要な設備を設け、これを公衆に利用させる営業」と定義しています(病院や寄宿舎の共同洗濯設備は除く)。
クリーニング店との違いは、洗うのがお客さん自身かどうかです。お客さんの衣類を預かって洗うのはクリーニング業で、クリーニング業法の手続きが必要です。WASHハウスは、コインランドリーの洗濯機を使って従業員が客の洗濯物を洗う、店内でたたむ、仕上げるといったサービスは、クリーニング業法上違法だと説明しています。洗濯代行をメニューにしたい場合は、先に保健所に相談してください。
厚生労働省の調査では、全国のコインランドリー(コインオペレーションクリーニング営業施設)は、平成8年度の10,228施設から平成25年度の16,693施設まで増えています。そのうち16,454施設は、ドライクリーニング機を置かない「ランドリーのみの施設」でした。
開業に必要な届出:自治体の要綱で決まる
コインランドリーの届出は、国の法律ではなく、都道府県や市の「衛生措置等指導要綱」で決まっています。そのため、自治体によって手続きが違います。
| 自治体 | 手続き |
|---|---|
| 宮城県 | 新設・変更・廃止のときに、所在地を管轄する保健所長へ届出 |
| 福島市 | 事前相談のうえ、営業開始予定日の10日前までに開設届。施設検査を受けて検査確認済証の交付 |
| 鹿児島市 | 保健所への届出は不要。ただし環境保全課との事前協議が必要 |
福島市の手引きでは、開設届と一緒に、構造設備を示した平面図、洗濯機・乾燥機の仕様書かカタログ、半径100メートル以内の見取り図を出します。
施設の基準も要綱で決まっています。宮城県と福島市の要綱の主な内容は次のとおりです。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 区画 | 隔壁などで外部と区分し、外から見通しやすい構造。ほかの営業施設や住居と区画する |
| 床面積 | 宮城県の望ましい面積は「5.5+1.2×台数」平方メートル以上。福島市は2台以下で8.0㎡以上 |
| 換気 | 乾燥機・給湯設備の燃焼ガスを戸外に出せる構造 |
| 床 | 不浸透性の材料で、排水の勾配と排水口がある |
| 手洗い | 流水式の手洗い設備 |
| 給湯 | ランドリー用洗濯機を置くなら60℃以上の温湯が出る設備が望ましい |
| 掲示 | 機器の使い方、洗えない物(し尿の付いたおむつ、動物の敷物など)を見やすい場所に掲示 |
開業資金:小型店で2,000万円台が目安
コインランドリーの開業資金は、洗濯機・乾燥機などの機器代と、建物・内装の工事費でほぼ決まります。機器メーカーのエレクトロラックス・プロフェッショナルは、店の大きさごとに次の目安を示しています(2023年12月4日公開)。
| 店の型 | 広さ | 初期費用 | 機器一式 | 工事費 |
|---|---|---|---|---|
| 大型店 | 50坪 | 約3,000万円 | 2,200万円〜 | 800万円〜 |
| 小型店 | 15〜20坪 | 2,000〜2,500万円 | 1,300万円〜 | 700万円〜 |
| 物置型 | 3坪 | 950万円ほど | 450万円〜 | 500万円〜 |
WASHハウスは、出店費用は1,500万円〜2,500万円程度が一般的としたうえで、自社の標準タイプの店舗は約2,063万円(平成29年5月時点の参考価格、工事費は除く)と公開しています。
同じメーカーの記事は、初期費用を抑える方法として、機器のリース契約、融資や補助金、中古機器を挙げています。ただしリースは手数料などが上乗せされて総支払額が高くなり、途中で解約できないと注意しています。開業資金の集め方は開業資金の集め方、開業費用の全国の分布は開業資金はいくら必要?で確かめられます。
収益モデルと利回り:月売上からランニングコストを引く
コインランドリーの利益は、月の売上 − ランニングコスト(家賃・水道光熱費・洗剤・清掃・機器の保守など)です。機器メーカーの記事は、無人で営業できるため人件費がかからないことをメリットに挙げています。
エレクトロラックス・プロフェッショナルの目安では、小型店の平均売上は月60万円ほど、ランニングコストは売上の50%ほどで、月30万円です。この目安を使って、初期費用の回収期間を計算すると次のようになります(編集部の計算)。
- 月の手残り:60万円 − 30万円 = 30万円
- 年の手残り:30万円 × 12か月 = 360万円
- 回収期間:初期費用2,000万円 ÷ 年360万円 = 約5.6年
- 表面の利回り:360万円 ÷ 2,000万円 = 18%
WASHハウスは、保有地と賃貸物件の比較の例として、「1ヶ月に50万円しか売上のあがらない物件(保有地)よりも、家賃は20万円かかるが1ヶ月に100万円売上があがる物件(賃貸物件)」のほうが大きな収益になると説明しています。家賃がかからない土地でも、売上が立たない場所では回収できません。
儲からないと言われる理由:公開情報から見える4つの点
「コインランドリー経営は儲からない」と言われる理由は、公開されている情報から次の4つが読み取れます。
- 売上が立地で決まる:WASHハウスは、遊休地の活用目的で安易に選んだ土地では、売上を伸ばすのは難しい可能性があると書いています。機器メーカーの記事も「コインランドリーは立地産業」としています。
- 初期費用が大きく、回収が長い:小型店でも2,000万円台の投資が必要で、上の計算でも回収に5年以上かかります。
- 片手間では回らない:WASHハウスは、日々の問い合わせ対応、機器の点検、毎日の清掃が必要で「サイドビジネスのように気軽に片手間で運営できるようなビジネスではありません」としています。乾燥機のフィルターには1日で数cmのほこりがたまると説明しています。
- 天候で売上がぶれる:WASHハウスの月次の売上高前年同月比(全店)は、2026年1〜9月の間でも80.5%から120.1%まで動いています。
フランチャイズで始める場合
コインランドリーのフランチャイズは、本部が物件選び・機器・内装をまとめて売り、開業後の管理まで受け持つ形が多くあります。WASHハウスの場合、加盟したオーナーに店舗の設計・内装・機器をまとめて販売し、清掃やクレーム対応などの管理運営を本部が一括で受託しています。店舗はWebカメラで24時間モニターし、本社から機器を遠隔操作できる仕組みです。
同社の総店舗数は、2026年9月30日現在で561店舗(うち九州エリア405店舗)です。2026年1〜9月には新規出店が2店舗、退店が12店舗で、1月の571店舗から減っています。
フランチャイズを選ぶときは、加盟金・ロイヤルティだけでなく、問い合わせ対応の体制や、物件をどう選ぶかを比べます。WASHハウスは、コインランドリーのFCを比べるポイントとして、売上を上げて事業を運営し続ける本部の機能があるかどうかを挙げています。フランチャイズの仕組みはフランチャイズとは?、契約前の確認はフランチャイズに加盟する前に確かめる8つのことにまとめています。
始め方
- 出店予定地の需要を調べる:住宅地や商業施設の近く、駐車場の有無を見ます。
- 保健所に事前相談する:自治体の要綱の基準(床面積・換気・手洗いなど)に合う図面か確かめます。
- 個人で始めるかフランチャイズかを決める:個人なら加盟金やロイヤルティはかからず、集客や管理を自分で行います。
- 資金を用意する:機器代と工事費で小型店でも2,000万円台です。
- 工事と機器の設置、届出、施設検査を経て開業します。
よくある質問
コインランドリーの開業資金はいくらですか?
WASHハウスは出店費用を1,500万〜2,500万円程度が一般的と案内しています。機器メーカーの目安では、15〜20坪の小型店で2,000〜2,500万円です。
コインランドリーは儲かりますか?
機器メーカーの目安では小型店の月売上は60万円ほど、ランニングコストは売上の50%ほどです。立地で売上が決まるため、物件選びと初期費用の回収期間を先に確かめる必要があります。
コインランドリーの開業に許可は要りますか?
クリーニング所の許可とは別に、多くの自治体が要綱で保健所への届出を求めています。宮城県は新設・変更・廃止の届出、鹿児島市は届出不要ですが事前協議が必要です。
コインランドリーで店員が洗濯を代行してもいいですか?
WASHハウスは、店舗の洗濯機で従業員が客の洗濯物を洗う・たたむ・仕上げるサービスはクリーニング業法上違法と説明しています。代行するならクリーニング業の手続きが必要です。
出典
- 厚生労働省「コインオペレーションクリーニング営業施設に関する調査(施設数)」(平成25年度調査・2026年10月27日閲覧)
- 宮城県「コインオペレーションクリーニングについて」(2021年1月14日掲載・2026年10月27日閲覧)
- 鹿児島市「コインランドリーを始めたいのですが、保健所へ届出が必要ですか。」(2025年12月10日更新・2026年10月27日閲覧)
- 福島市保健所「コインオペレーションクリーニング(コインランドリー)施設の営業申請者の手引き」(令和2年6月・2026年10月27日閲覧)
- エレクトロラックス・プロフェッショナル「コインランドリー経営の初期費用はいくら?」(2023年12月4日公開・2026年10月27日閲覧)
- WASHハウス IR情報「店舗数・売上高」(2026年9月30日現在・2026年10月27日閲覧)
- WASHハウス「WASHハウスのビジネスモデル」(2026年10月27日閲覧)
- WASHハウス「コインランドリービジネスのQ&A」(2026年10月27日閲覧)
数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく
公開 2026年10月27日
前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。
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