
2026/10/28
コーヒースタンドの開業|小さな店の開業資金と許可、テイクアウト専門店の実例
コーヒースタンドの開業には、保健所の飲食店営業の許可(東京都の新規手数料18,000円)と食品衛生責任者が要ります。居抜きで売りに出たコーヒースタンドは250万円と500万円、客単価は約1,000円の店もありました。小さな店の始め方を実例で整理しました。
- A飲食店営業の許可の手数料(東京都・新規)
- 18,000円令和8年4月1日から適用。継続は8,900円
- A食品衛生責任者養成講習会の受講料
- 12,000円東京都食品衛生協会の会場集合型。講習は6時間(テスト含む)
- Bコーヒースタンドの譲渡希望額(山梨県)
- 250万円成約済み。内装と機器は施工から2年。ワンオペで運営
- Bテイクアウト専門コーヒースタンドの譲渡希望額(鹿児島県)
- 500万円売上高1,000万円〜3,000万円。スタッフ1名の少人数運営
- A同じ店の客単価
- 約1,000円ドリンク+スイーツのセット需要がある(売り手の説明)
- A小さなコーヒーショップの開業6か月目の月商
- 約226万円御豆屋(東京・小岩)。小さな坪数・ワンオペかツーオペの自家焙煎店
コーヒースタンドを開くには、保健所の「飲食店営業」の許可を取り、店ごとに食品衛生責任者を置きます。東京都の場合、飲食店営業の新規の許可手数料は18,000円です(東京都保健医療局、2026年10月28日閲覧)。
コーヒースタンドは、席を少なくするかテイクアウトに絞ることで、小さな物件と少ない人数で始められる業態です。事業承継のサイトBATONZには、設備ごと引き継げるコーヒースタンドが250万円や500万円の譲渡希望額で出ていました。ここでは、許可と資格、開業資金、売上の実例を、公的機関と本人・事業者が公開している情報から整理します。
| 店 | 場所 | 形 | 公開されている数字 |
|---|---|---|---|
| レンガタイルのカウンターのコーヒースタンド | 山梨県 | 店内飲食もできる。ワンオペ | 譲渡希望額250万円(成約済み) |
| 海の見えるテイクアウト専門コーヒースタンド | 鹿児島県 | 集客施設の敷地内。スタッフ1名 | 譲渡希望額500万円、客単価約1,000円 |
| 御豆屋 | 東京・小岩 | 小さな坪数の自家焙煎コーヒーショップ | 開業6か月目の月商約226万円 |
コーヒースタンドとは:テイクアウト中心の小さなコーヒー店
コーヒースタンドとは、カウンターで注文を受けてコーヒーを入れ、持ち帰りか立ち飲み・少ない席で提供する小さなコーヒー店のことです。広い客席を持つカフェに比べ、物件の面積と内装を小さくできます。
BATONZに出ていた2つの店は、次のような形でした。
| 項目 | 山梨県の店 | 鹿児島県の店 |
|---|---|---|
| 提供のしかた | カウンターで先注文。テイクアウトでも店内飲食でも使える | テイクアウト専門 |
| メニュー | コーヒーが中心。ワッフルやケーキ、ランチタイムは食事も | ドリンクとスイーツが中心 |
| 立地 | 主要道路沿いの商業地。隣のスーパーの駐車場を使える | 観光客が多く訪れる集客施設の敷地内。海に近い |
| 体制 | ワンオペ(スタッフ数名での運営を推奨) | スタッフ1名の少人数運営 |
| 売上高 | 0円〜1,000万円 | 1,000万円〜3,000万円 |
鹿児島県の店は、客数が週末と夏の行楽シーズンに集中する「観光地型」で、平日は地元のお客で賑わうとしています。立地によって売れる曜日と季節が大きく変わる業態です。
コーヒースタンドの開業に必要な許可と資格
コーヒースタンドの開業に必要なのは、飲食店営業の許可と食品衛生責任者の2つです。
| 手続き | 中身 | 費用の例(東京都) |
|---|---|---|
| 飲食店営業の許可 | 店の設備が基準を満たしているか保健所が確かめる | 新規18,000円、継続8,900円 |
| 食品衛生責任者 | 許可・届出が要る施設の営業者が選ぶ(食品衛生法) | 養成講習会の受講料12,000円 |
東京都の手数料表では、「喫茶店営業」は改正前の業種名として載っていて、既存の営業者が新しい制度へ移るときの手数料が飲食店営業などと同じ8,900円になっています。今から開くコーヒースタンドは、飲食店営業の許可を取ります。
東京都食品衛生協会の会場集合型の養成講習会は、食品衛生学2時間30分・公衆衛生学30分・食品衛生法3時間の計6時間(テスト含む)です。17歳以上なら経験や学歴は問いません。栄養士・調理師・製菓衛生師などの資格がある人は、講習を受けなくても食品衛生責任者になれます。
コーヒースタンドの開業資金:居抜きで引き継ぐ例
コーヒースタンドの開業資金は、ゼロから内装と機器をそろえるか、設備ごと引き継ぐかで大きく変わります。BATONZに出ていた2つの店の条件は次のとおりです。
| 項目 | 山梨県の店 | 鹿児島県の店 |
|---|---|---|
| 譲渡希望額 | 250万円 | 500万円 |
| 状態 | 成約済み | 掲載中(2026年10月1日掲載) |
| 引き継げるもの | 内装・機器類(施工から2年)。2連のエスプレッソマシンのあるカウンター | ブランド(名称・ロゴ・コンセプト)、設備・什器一式、レシピ・仕入先、SNSアカウント、出店・運営ノウハウ |
| 譲渡の理由 | もう一つ運営している店舗に注力するため | オーナーが他事業に経営資源を集中するため |
山梨県の店は、食事やスイーツにも対応できるよう厨房を広く取り、北欧のカフェをイメージした内装にしていました。鹿児島県の店は、出店先の施設との契約も引き継げるとしています。
コーヒースタンドの売上:客単価と月商の実例
コーヒースタンドの売上は、客単価 × 1日の客数 × 営業日数で決まります。コーヒー1杯だけでは客単価が上がりにくいため、実例はスイーツや豆の販売を組み合わせています。
鹿児島県のテイクアウト専門店の客単価は約1,000円で、売り手は「コーヒースタンドとしては高め」で、ドリンクとスイーツなどのセット需要があると説明しています。
東京・小岩の自家焙煎コーヒーショップ「御豆屋」は、2024年11月9日に開業し、店主がnoteで月ごとの売上を公開しています。
| 月 | 売上 |
|---|---|
| 2024年11月(開業月) | 129万円 |
| 2024年12月 | 188万円 |
| 2025年1月 | 156万円 |
| 2025年2月 | 181万円 |
| 2025年3月 | 199万円 |
| 2025年4月 | 186万円 |
| 2025年5月 | 約226万円 |
御豆屋は、小資本の個人経営、小さな坪数のテナント、ワンオペかツーオペの少人数体制、店内で焙煎する自家焙煎店という形です。店主は、飲食(カフェ)と物販(豆売り)の両立は難易度が高く苦労していると書いています。
コーヒースタンドの始め方
コーヒースタンドの開業は、次の順に進めます。
- 売り方を決める:テイクアウト専門か、少しの席を置くか。豆の販売やスイーツを組み合わせるかを決めます。
- 立地を選ぶ:通勤の道沿い、商業地、観光地の施設内など、人が通る場所かどうかで売上の波が変わります。
- ゼロから作るか、引き継ぐかを比べる:設備ごと売りに出ている店がないか、事業承継のサイトも見ておきます。
- 保健所に事前相談して許可を取る:平面図を持って相談し、工事のあとに検査を受けます。
- 食品衛生責任者を置く:講習会は日程が限られるため、早めに申し込みます。
- ひとりで回す工夫をする:山梨県の店はカウンターでの先注文制、鹿児島県の店はレシピと提供の手順を標準化して、少人数で運営していました。
カフェ全体の実例はカフェの始め方と開業資金でも紹介しています。
よくある質問
コーヒースタンドを開くのに必要な許可は何ですか?
店でコーヒーを入れて売るなら、保健所の飲食店営業の許可が要ります。東京都の新規の手数料は18,000円です。店ごとに食品衛生責任者も置きます。
コーヒースタンドの開業資金はいくらですか?
物件と機器で大きく変わります。設備ごと引き継げる居抜きのコーヒースタンドは、山梨県で250万円、鹿児島県で500万円の譲渡希望額で売りに出ていました。
食品衛生責任者の資格はどう取りますか?
都道府県の食品衛生協会などの養成講習会を受けます。東京都食品衛生協会の会場集合型は受講料12,000円・6時間です。調理師や栄養士の資格があれば受講は免除されます。
コーヒースタンドはひとりで運営できますか?
できる例があります。BATONZに出ていた山梨県と鹿児島県のコーヒースタンドは、どちらもワンオペで運営されていました。ピークの時間や休憩の取り方を考えておく必要があります。
出典
- 東京都保健医療局「東京都食品衛生関係許可手数料」(令和8年4月1日から適用)(2026年10月28日閲覧)
- 一般社団法人東京都食品衛生協会「食品衛生責任者養成講習会」(2026年10月28日閲覧)
- BATONZ「主要道路沿い、駐車場多数確保、レンガタイルのカウンターが特徴のコーヒースタンド」No.69574(2025年7月4日更新・2026年10月28日閲覧)
- BATONZ「【鹿児島県】海の絶景を楽しむ、テイクアウト専門コーヒースタンド」No.99282(2026年10月1日掲載・2026年10月28日閲覧)
- 御豆屋 代表 アフロ(市川ヒロトモ)さんのnote「コーヒーショップ開業して半年。ようやく売上が200万円を超えました。」(2025年6月6日公開・2026年10月28日閲覧)
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監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく
公開 2026年10月28日
前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。
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