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2026/10/27

カフェ経営の年収と利益|儲からないと言われる理由を、喫茶店の統計と実例の収支で

カフェ経営の年収は、売上から原価・家賃・人件費を引いた残りです。ひとりで営む喫茶食堂の1年目は店主の給料込みで収支+630,372円、月5日の間借りカフェは月の利益60,960円でした。開業者のうち事業からの収入に満足しているのは28.3%です。

カフェ経営の年収を考える数字確かさ A
A喫茶店の1事業所当たり売上高
1,450万円総務省「平成24年経済センサス・活動調査」(厚生労働省資料より)
A喫茶店の経営上の問題点(1位)
50.5%原材料費の上昇。2位は客数の減少49.2%(平成25年度調査)
A事業からの収入に満足している開業者
28.3%全業種。公庫2025年度新規開業実態調査
Aひとりで営む喫茶食堂の1年目の収支
+630,372円kenohi(東京・武蔵小山)。店主の給料を人件費に含め、初期費用は除く
A間借りカフェの月の利益
60,960円京都。月5日営業・売上244,010円(2023年9月)
A間借りカフェの時給換算
1,195円準備と試作の時間を含めた51時間で計算(本人の計算)

カフェ経営の年収は、売上から原価・家賃・人件費などを引いて手元に残る金額で決まります。公開されている実例では、東京でひとりで営む喫茶食堂の1年目が、店主の給料を人件費に含めて収支+630,372円、京都で月5日営業する間借りカフェが月の利益60,960円でした(いずれも本人のnote)。

日本政策金融公庫の2025年度調査では、開業した人のうち事業からの収入に「満足」と答えたのは28.3%にとどまります(全業種)。このページでは、厚生労働省と公庫の統計、そして本人が公開した収支から、カフェが「儲からない」と言われる理由と、年収の考え方を整理します。カフェの始め方の全体像はカフェの始め方と開業資金にまとめています。

カフェ経営の年収とは:売上ではなく「残る金額」

カフェ経営の年収とは、お店の売上から、食材などの原価、家賃、水道光熱費、人件費などの費用を差し引いて、オーナーの手元に残る金額のことです。会社員の給与と違い、売上が多くても費用が多ければ年収は増えません。

個人経営のカフェでは、オーナー自身の給料を費用に入れるかどうかで「利益」の見え方が変わります。kenohiの店主は、便宜上、自分の給料を人件費として計上したうえで、1年間の収支を公開しています。数字を比べるときは、オーナーの取り分がどこに含まれているかを先に確かめます。

用語意味
売上客数×客単価×営業日数
費用原価(変動費)+家賃・水道光熱費・人件費など(固定費)
利益売上−費用
オーナーの年収利益(+自分の給料を費用に入れていればその分)

統計で見る喫茶店の売上:1事業所当たり1,450万円

喫茶店の売上の規模は、総務省の「平成24年経済センサス・活動調査」で、1事業所当たり1,450万円、従業者1人当たり343万円です。厚生労働省の「喫茶店営業の実態と経営改善の方策」(平成28年3月)が、この数字を引いています。全国の喫茶店の事業所数は70,454でした。

同じ資料にある厚生労働省の平成25年度調査では、1日の平均客数と客単価が経営の形で大きく違いました。

経営の形1日平均客数客1人当たり平均単価
総数155.1人1,019.6円
個人経営35.1人1,573.7円
株式会社227.3人1,105.1円

個人経営の喫茶店は、客数が少ない一方で客単価は高い、という姿です。調査対象のうち欠損(赤字)の企業の割合は33.8%でした。

カフェが儲からないと言われる理由

カフェが儲からないと言われるのは、客単価が低いうえに、原材料費・光熱費などのコストの上昇と客数の減少を同時に受けやすいからです。厚生労働省の資料では、喫茶店の経営上の問題点(複数回答)は次の順でした。

順位経営上の問題点割合(総数)
1原材料費の上昇50.5%
2客数の減少49.2%
3水道・光熱費の上昇37.5%
4人件費の上昇29.9%
5施設・設備の老朽化29.6%

個人経営に限ると、「施設・設備の老朽化」も52.2%と高くなっています。売上が前年より減った施設は、総数で42.9%、個人経営では52.2%でした。

働く時間の長さも、年収の感じ方に影響します。公庫の2025年度新規開業実態調査(全業種)では、1週間の労働時間が「50時間以上」の開業者は49.8%でした。一方で、事業からの収入に満足している人は28.3%、仕事のやりがいに満足している人は84.4%です。収入より、やりがいで続けている人が多い姿がうかがえます。

実例の収支1:ひとりで営む喫茶食堂(kenohi)

東京・武蔵小山の喫茶食堂kenohiは、店主がひとりで営む店です。開業から1年間(2019年4月〜)の数字を、店主がnoteで公開しています。詳しくはkenohiの事例をご覧ください。

項目数字
売上8,122,879円
費用7,492,507円(店主の給料を人件費に含む。初期費用は除く)
トータル収支+630,372円
客単価1,196円
客数6,432人(延べ)

収支を月にならすと、630,372円÷12か月=52,531円(約5.3万円)です(編集部の計算)。店主は、初期費用を含めると赤字だと書いています。働き方は、1日14時間くらい店にいて週休1日でした。

店主が1年やって出した結論は、毎月60〜70万円ほどの売上で、5〜10万円の利益を出すのが理想、というものです。70万円を超えると忙しくて疲れ、店の居心地の良さが崩れてしまうとも書いています。

実例の収支2:月5日の間借りカフェ(京都)

京都の古民家コワーキングスペースの1階を間借りして、月5〜6日だけ営業するカフェの代表は、2023年9月の数字をすべて公開しています。

項目2023年9月
営業日数5日
売上244,010円(24人×2,033円×5日)
変動費(原価)62,200円(原価25.5%)
固定費120,850円(間借りの場所代36,220円・製造工房43,050円・人件費など)
利益60,960円(利益率25.0%)

代表は、準備や試作を含めた51時間で割ると、時給は1,195円になると計算しています。そのうえで、自分の店を3年、間借りを半年やってみて、「カフェ一本だけじゃ正直利益を出し続けてそれだけて食っていくのは非常に大変」と書いています。この店については間借りカフェの売上と利益でも紹介しています。

カフェで年収を上げる方法

カフェで年収を上げるには、客数・客単価・営業日数のどれかを増やすか、席数に縛られない売上を足すことになります。実例から見える方法は次のとおりです。

  1. 客単価を守る:kenohiの店主は、飲み物と一緒に頼みたくなるお菓子や、単価の高い食事の質を落とさないことで、客単価をキープする方針を書いています。
  2. 物販を組み合わせる:東京・小岩の自家焙煎の御豆屋は、飲食と豆の販売を両立させ、開業6か月目の2025年5月に月の売上約226万円になりました。代表は、飲食と物販の両立は難易度が高いとも書いています。
  3. 収入の柱を複数持つ:京都の間借りカフェの代表は、焼菓子やグラノーラのEC販売、スクール運営、フォトグラファーの仕事を組み合わせています。
  4. 開業前に収支を試算する:同じ代表は、なんとなく開店して利益が出ないまま辞めるのではなく、今のビジネスモデルでどのぐらいの収益になるかをシミュレーションしておくことが大事だと書いています。

開業にかかるお金の目安は、開業資金はいくら必要?で公庫の調査から確かめられます。

よくある質問

カフェ経営の年収はどれくらいですか?

公的な統計にカフェ経営者の年収を示す数字はありません。実例では、ひとりで営む喫茶食堂の1年目が店主の給料込みで収支+630,372円、間借りカフェが月の利益60,960円でした。

カフェは儲からないと言われるのはなぜですか?

客単価が低く、席数と営業時間で売上の上限が決まるからです。厚生労働省の資料では、喫茶店の経営上の問題点の1位は原材料費の上昇(50.5%)、2位は客数の減少(49.2%)でした。

喫茶店1店あたりの売上はどれくらいですか?

厚生労働省の資料が引く総務省の平成24年経済センサスでは、喫茶店の1事業所当たり売上高は1,450万円、従業者1人当たりは343万円でした。

カフェで年収を上げるにはどうすればいいですか?

客数・客単価・営業日数のどれかを増やすか、物販など席数に縛られない売上を足します。自家焙煎の御豆屋は豆の販売を、間借りカフェの代表は焼菓子のEC販売を組み合わせています。

出典

  1. 厚生労働省「喫茶店営業の実態と経営改善の方策」(平成28年3月発行・2026年10月27日閲覧)
  2. 日本政策金融公庫 総合研究所「2025年度新規開業実態調査」アンケート結果の概要(2025年12月5日公表・2026年10月27日閲覧)
  3. kenohi店主ひかるさんのnote「kenohiと僕の1年間の軌跡」(2020年4月21日公開)
  4. 小夏さんのnote「間借りカフェの売上と利益の数字全て公開します!」(2023年10月8日公開)
  5. アフロ(市川ヒロトモ)さんのnote「コーヒーショップ開業して半年。ようやく売上が200万円を超えました。」(2025年6月6日公開)

数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月27日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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