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2026/10/27

カフェを開くには?必要な資格と届出・開店準備の流れ|喫茶店の開業も同じ手続き

カフェ・喫茶店を開くには、保健所の飲食店営業許可と、店ごとに置く食品衛生責任者が必要です。東京都の例では許可の新規手数料18,000円、責任者の養成講習会は1日6時間・12,000円。ケーキの持ち帰りの扱いや、消防・税務署への届出の時期まで、開店準備の順に整理しました。

カフェを開くときの資格と届出(東京都の例・2026年10月時点)確かさ A
A食品衛生責任者の養成講習会
12,000円東京都食品衛生協会。1日6時間(テスト含む)。経験・学歴は問わない
A飲食店営業許可の新規手数料
18,000円東京都食品衛生関係許可手数料。継続は8,900円
A営業許可を申請する時期
工事完成予定日の10日くらい前東京都保健医療局の案内。保健所へ
A防火管理者が必要になる目安
収容人員30人以上飲食店などがある建物全体の収容人員(東京消防庁)
A防火対象物使用開始届出書
営業開始の7日前まで東京消防庁。工事等計画届出書は工事開始の7日前まで
A開業費用の中央値(全業種)
600万円日本政策金融公庫 2025年度新規開業実態調査。平均値は975万円

カフェや喫茶店を開くには、保健所の「飲食店営業」の許可と、店ごとに置く食品衛生責任者が必要です。東京都の例では、許可の新規手数料は18,000円、食品衛生責任者の養成講習会は1日6時間・12,000円です(東京都保健医療局・東京都食品衛生協会、2026年10月27日閲覧)。

調理師免許やバリスタの資格がなくても、カフェは開けます。そのかわり、内装工事の前から消防署・保健所・税務署への届出が順番に続きます。このページでは、カフェならではの許可の範囲(ケーキの持ち帰り、焼き菓子の販売)と、開店準備の流れを、公的機関の案内から整理します。手数料や時期は東京都の例で、自治体によって違います。

カフェを開くとは:喫茶店も「飲食店営業」の許可で開く

カフェを開くとは、食品衛生法の「飲食店営業」の許可を受けた店で、飲み物や食べ物を客に出す事業を始めることです。以前は、飲み物と茶菓子だけを出す店向けに「喫茶店営業」という別の許可がありました。

東京都保健医療局によると、平成30年の食品衛生法の改正で許可の業種が見直され、「喫茶店営業」は「飲食店営業」に統合されました。令和3年6月1日以降、食品衛生法で許可が必要な業種は32業種です。コーヒーだけを出す喫茶店も、ランチを出すカフェも、いま新しく開くなら同じ「飲食店営業」の許可を受けます。

項目カフェ・喫茶店の場合
必要な許可飲食店営業(保健所)
必ず置く人食品衛生責任者(店ごとに1人)
建物によって必要な人防火管理者(建物全体の収容人員30人以上など)
出す届出消防署(工事・使用開始)、税務署(開業届)など
求められていない資格調理師免許、バリスタなどの民間資格

カフェ開業に必要な資格は食品衛生責任者

カフェを開くのに必ず要る資格は、食品衛生責任者です。東京都食品衛生協会は、食品営業許可施設と食品営業届出施設の営業者は食品衛生責任者を選ぶことが食品衛生法で定められている、と説明しています。

調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格がある人は、講習を受けなくても食品衛生責任者になれます。資格がない人は、養成講習会を受けます。東京都食品衛生協会の会場集合型の講習会は次のとおりです。

項目内容(東京都食品衛生協会)
講習時間午前9時45分から午後4時30分までの6時間(テスト含む)
講習の内容食品衛生学2時間30分、公衆衛生学30分、食品衛生法3時間
受講料12,000円(受講料10,000円と教材費等2,000円)
受講資格経験・学歴は問わない。17歳以上(高校生は受講できない)
修了したらもらえるもの修了証(赤い手帳)

この手帳は、保健所に営業許可を申請するときの「食品衛生責任者の資格を証明するもの」として使います。講習会は予約が埋まることがあるので、物件探しと並行して早めに申し込んでおくと安心です。

もう1つ、建物によっては防火管理者が必要です。東京消防庁によると、飲食店・店舗などがある建物で、建物全体の収容人員が30人以上のものは防火管理者を選びます。資格は講習で取れ、甲種は2日間、乙種は1日の講習です。小さなカフェでも、入居するビル全体の人数で決まる点に気をつけましょう。資格ごとの詳しい要件は飲食店の開業に必要な許可と資格にまとめています。

ケーキや焼き菓子を売るときの許可の範囲

カフェで作ったケーキを持ち帰りで売るだけなら、飲食店営業の許可の範囲に入ることがあります。東京都の資料は、許可1つで扱える食品の範囲が広がった例として、次の2つを挙げています。

やりたいこと東京都の案内
飲食店営業の店で作ったケーキを包装して販売する飲食店が調理して出している食品の持ち帰りの範囲内なら、新たに「菓子製造業」の許可は不要
菓子製造業の店(ケーキ屋)で、買ったケーキに飲み物を添えて店内で出す新たに「飲食店営業」の許可は不要

つまり、店内のメニューにあるケーキを持ち帰りで売るのは、飲食店営業の許可で足りる場合があります。一方、店内で出していない焼き菓子をたくさん作ってほかの店へ卸す、ネットで売る、といった形は「持ち帰り」の範囲を超えるかもしれません。東京都も、作業や扱う食品によってはこのとおりにならない場合があるとして、事前に保健所へ相談するよう書いています。

カフェの開店準備の流れと届出の時期

カフェの開店準備は、物件を決める→保健所・消防署に相談する→工事→申請と検査→開業→税務署への届出の順に進みます。東京都の例で、届出の時期を並べました。

時期やること出す先
物件を決める前後食品衛生責任者の講習を受ける。図面を持って事前相談保健所・消防署
内装工事を始める7日前まで防火対象物工事等計画等届出書消防署
工事完成予定日の10日くらい前営業許可申請書、施設の図面(2通)、食品衛生責任者の手帳などを出す保健所
工事が終わったら保健所の施設検査。申請か検査のときに衛生管理計画を確認される保健所
営業を始める7日前まで防火対象物使用開始届出書消防署
開業した年の確定申告期限まで個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)税務署

番号順に書くと、次のようになります。

  1. コンセプトと資金を決める:席数、メニュー、営業時間、開業費用の上限を先に決めます。
  2. 物件を決める:建物全体の収容人員で、防火管理者が要るかどうかが変わります。
  3. 保健所と消防署に事前相談する:工事の前に図面を見てもらうと、作り直しを防げます。
  4. 工事をして、許可を申請する:東京都は、営業許可の申請は保健所の窓口のほか、厚生労働省の食品衛生申請等システムでオンラインでもできると案内しています。
  5. 施設検査を受けて、許可が出てから開店する。
  6. 税務署に開業届を出す:国税庁の案内では、事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までです。

開業届の書き方と、一緒に出す青色申告の承認申請の期限は開業届の出し方と期限で解説しています。

カフェを開くにはいくら資金が必要か

カフェの開業資金を業種別に示した公的な統計は見つかりませんでした。全業種の目安としては、日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」で、開業費用の中央値は600万円、平均値は975万円です。同じ調査で、開業した業種は「サービス業」27.7%、「医療・福祉」16.7%、「飲食店・宿泊業」14.5%の順でした。

資格と許可の費用(東京都の例で講習12,000円、許可18,000円)は、開業資金全体から見ればわずかです。お金がかかるのは、物件の取得費と内装・厨房の工事です。実在するカフェの売上や開業資金の数字はカフェの始め方と開業資金に、開業費用の分布は開業資金はいくら必要?にまとめています。

よくある質問

小さなカフェを開くのに必要な資格は何ですか?

店ごとに食品衛生責任者を置きます。調理師などの資格がない人は養成講習会で取れ、東京都では1日6時間・12,000円です。席が多い建物では防火管理者も要ります。

喫茶店とカフェで必要な許可は違いますか?

違いません。令和3年6月1日から「喫茶店営業」は「飲食店営業」に統合されました。コーヒーだけを出す店も、食事を出すカフェも、飲食店営業の許可を受けます。

カフェで作ったケーキを持ち帰りで売ってもいいですか?

飲食店営業の許可を受けた店で作ったケーキを包んで売る場合、店で出している食品の持ち帰りの範囲内なら、菓子製造業の許可は新たに要りません(東京都)。

カフェの開店準備はいつから届出を始めればいいですか?

内装工事を始める7日前までに消防署へ、工事完成予定日の10日くらい前に保健所へ出します。営業開始の7日前までに消防署へ使用開始の届出も出します(東京都の例)。

出典

  1. 一般社団法人東京都食品衛生協会「食品衛生責任者養成講習会」(2026年10月27日閲覧)
  2. 東京都保健医療局「東京都食品衛生関係許可手数料」(令和8年4月1日から適用)(2026年10月27日閲覧)
  3. 東京都保健医療局「食品衛生の窓」営業許可・届出の概要(2026年10月27日閲覧)
  4. 東京都保健医療局「新たな営業許可制度について」(2026年10月27日閲覧)
  5. 東京都多摩府中保健所「多摩府中ミニ情報 新しい営業許可制度」(令和3年5月発行・2026年10月27日閲覧)
  6. 東京消防庁「防火管理者が必要な防火対象物と資格」(2026年10月27日閲覧)
  7. 東京消防庁「飲食店を開業する方へ」(2026年10月27日閲覧)
  8. 国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(2026年10月27日閲覧)
  9. 日本政策金融公庫 総合研究所「2025年度新規開業実態調査」アンケート結果の概要(2025年12月5日公表)

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監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月27日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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