
2026/10/28
小規模事業者持続化補助金でホームページを作るときの上限と注意点|ウェブサイト関連費30万円のルール
小規模事業者持続化補助金でホームページを作る費用は「ウェブサイト関連費」に入り、補助金の申請額は30万円(税込)が上限です。ホームページだけでは申請できず、ほかの経費と組み合わせます。第20回公募要領とQ&Aから、対象になる費用・ならない費用と注意点を整理しました。
- Aウェブサイト関連費の申請額の上限
- 30万円(税込)補助金交付申請額の上限。創業型(第4回)も同じ
- A第19回までのルール
- 1/4(最大50万円)補助金交付申請額の1/4が上限だった(第19回公募要領 第6版)
- A補助率
- 2/3賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4
- C上限まで使える経費の目安
- 45万円45万円×2/3=30万円(編集部の計算)
- A相見積が要る発注額
- 50万円超(税込)1件あたり。2者以上から見積を取る
- A処分が制限される制作費
- 50万円(税抜き)以上通常は取得日から5年間、目的外使用や廃棄などが制限される
小規模事業者持続化補助金でホームページを作る費用は「ウェブサイト関連費」に計上し、補助金の申請額は30万円(税込)が上限です(第20回公募要領 第8版、2026年10月28日閲覧)。ウェブサイト関連費だけでは申請できないため、チラシや機械装置など、ほかの経費と組み合わせて計画を立てます。
この記事は、補助金そのものの仕組みではなく、ホームページ・ECサイト・システムにお金を使うときのルールに絞って整理します。補助上限50万円や申請の流れなど制度の全体は、小規模事業者持続化補助金とはにまとめています。
ウェブサイト関連費とは:ホームページやECサイトを作る経費の区分
ウェブサイト関連費とは、販路開拓などのためのウェブサイトやECサイト、システム(オフラインを含む)の開発・構築・更新・改修・運用にかかる経費のことです。持続化補助金で認められている8つの経費区分の1つです。
ホームページの制作を業者に頼む費用は、外注であっても「委託・外注費」ではなく、ウェブサイト関連費に入ります(第20回Q&A A3-9)。ホームページに買い物かごを追加する費用も同じ扱いです(A3-17)。
| こんな費用 | 経費の区分(第20回Q&A) |
|---|---|
| ホームページ作成を業者に依頼する | ウェブサイト関連費 |
| ホームページに買い物かごを追加する | ウェブサイト関連費 |
| システムの購入や開発 | ウェブサイト関連費 |
| ロゴを紙のチラシと自社ホームページの両方で使う | ウェブサイト関連費 |
| SNSなどのバナー掲載(ネット広告) | 広報費 |
| SNS広告用画像・電子パンフレット・メールDM | 広報費 |
迷いやすいのは、ネット広告とホームページの違いです。自社のサイトそのものを作る・直す費用はウェブサイト関連費、外の媒体に広告を出す費用は広報費と考えると整理しやすくなります。
上限は30万円:第19回から何が変わったか
第20回公募では、ウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限が30万円(税込)になりました。第19回公募要領(第6版)までは、上限が「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」で、申請額全体に対する割合で決まっていました。
| 項目 | 第19回公募要領(第6版) | 第20回公募要領(第8版) |
|---|---|---|
| ウェブサイト関連費の上限 | 補助金交付申請額の1/4(最大50万円) | 30万円(税込) |
| ウェブサイト関連費だけの申請 | できない | できない |
| 広報費の上限 | 記載なし | 30万円(税込) |
30万円は「使ってよい経費」ではなく「補助金として申請できる額」の上限です。第20回Q&A(A3-19)は、補助対象経費が90万円だった場合でも、そのうち30万円までがウェブサイト関連費の補助金交付申請額として計上できる、と例を挙げています。
補助率は2/3なので、上限いっぱいに届く経費の目安は次のとおりです(編集部の計算)。
- 経費45万円×2/3=30万円(ちょうど上限)
これより高い制作費をかけても、ウェブサイト関連費として受け取れる補助金は30万円で止まります。
創業型(第4回公募要領)も、ウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)で、ウェブサイト関連費だけの申請はできません。開業まもない人向けの創業型は持続化補助金の創業枠(創業型)で説明しています。
対象になる費用・ならない費用
対象になるかどうかの分かれ目は、販路開拓(新しいお客さんを得ること)につながる商品・サービスのためのサイトかどうかです。第20回Q&A(A3-4)は、単なる会社案内のホームページではなく、新商品の広報など販路開拓を目的としたものなら対象になり得るとしています。
公募要領に載っている例を並べると、次のとおりです。
| 対象になる経費の例 | 対象にならない経費の例 |
|---|---|
| 商品販売のためのウェブサイト作成や更新 | ウェブサイトやシステムに関するコンサルティング・アドバイス費用 |
| 効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策 | 補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ |
| 商品販売のためのサイトに載せる宣材写真の制作 | サイトの画像に使う被写体や商品(紹介物を含む)の購入 |
| サイトで売る商品・サービスの画像や動画の作成 | 有料配信する動画、有料講座で使う動画や電子教材の作成 |
| 顧客管理システムの構築、アプリケーション開発 | 家庭用・一般事務用ソフトウェア、導入済みソフトの更新料 |
自社ホームページやECサイトで使う動画や写真の制作費は、広報費ではなくウェブサイト関連費で計上するよう、公募要領に書かれています。Q&A(A3-13)によると、対象外の「被写体や商品」とは、撮影に使う人物などの被写体、衣装、小道具などのことです。
ホームページを作るときの5つの注意点
ホームページの経費で失敗しやすい点は、発注の時期と、期間内に公開できるかどうかです。公募要領から、制作会社に頼む前に確かめたい点を5つにまとめました。
- 交付決定の前に発注しない:交付決定より前に発注・契約・支払い(前払いを含む)をした経費は、補助の対象になりません。採択の通知だけで制作を始めないようにします。
- 期間内に公開して支払いまで終える:補助事業期間内に運用に至らなかったホームページは対象外です。第20回の補助事業実施期間は、交付決定日から2028年3月31日までです。
- 50万円超(税込)の発注は相見積を取る:1件あたりの発注総額が50万円超(税込)なら、2者以上から見積を取り、安いほうの発注先を選びます。見積は補助事業者自身が別々の会社から取ります。
- 見積書は「一式」にしない:Q&A(A3-25)は、「一式」「等」「諸経費」といった書き方は内容が特定できず、対象と認められない場合があるとしています。ページ数や機能ごとに内訳を書いてもらいます。
- 期間をまたぐ契約は按分になる:契約期間が補助事業期間を越えるソフトウェアの使用権は、補助事業期間の分だけが対象です。月額のサービスを使うときは、対象になる月数を確かめます。
50万円(税抜き)以上で作ると5年間は自由に処分できない
ウェブサイトやシステムを50万円(税抜き)以上で作成・更新すると、そのサイトは「処分制限財産」に当たります。補助金を受け取ったあとも、一定の期間(通常は取得日から5年間)は、補助事業の目的外での使用、譲渡、廃棄などが制限されることがあります。
期間内にサイトを閉じたり別の目的に使ったりするときは、事前に補助金事務局の承認が必要で、補助金の一部を返す場合があります。承認を得ずに処分すると、交付の取消しや返還命令(加算金付き)の対象です。
一方で、補助事業の目的に沿ってホームページを改良したり機能を強化したりすることは、事前の承認が必要な「処分」には当たらない、と公募要領は補足しています。
ホームページの費用を計画に入れる手順
持続化補助金の計画は、ホームページを作ること自体ではなく、どんなお客さんに何を売るためにサイトを使うかから組み立てます。
- 売りたい商品・サービスを決める:ホームページで広報する新商品や新サービスを、経営計画に書きます。
- サイトと組み合わせる経費を決める:ウェブサイト関連費だけでは申請できません。チラシ(広報費)、店の改装、機械装置など、販路開拓に必要な別の経費と組み合わせます。
- 見積を取る:ページ構成・機能・写真撮影などの内訳がわかる見積書を用意します。50万円超(税込)なら2者以上から取ります。
- ウェブサイト関連費を30万円の枠内で計上する:補助率2/3で計算し、30万円を超える部分は自己負担になる前提で資金を用意します。
- 交付決定のあとに発注し、期間内に公開・支払い:公開したページの写しなど、成果物がわかる資料を実績報告に添えます。
サイトを作ったあと、地図検索から来店につなげる方法はGoogleマップで小さな店を見つけてもらう方法で紹介しています。
よくある質問
持続化補助金でホームページ制作はできますか?
できます。新商品の広報など販路開拓が目的なら対象になり得ます。単なる会社案内のホームページは対象外で、経費はウェブサイト関連費に計上します。
ホームページの補助金はいくらまで出ますか?
第20回公募では、ウェブサイト関連費の補助金交付申請額は30万円(税込)が上限です。補助率2/3で計算すると、経費45万円で上限に届きます。
ホームページの制作費だけで申請できますか?
できません。ウェブサイト関連費のみの申請は認められず、ほかの経費と一緒に申請します。広報費との組み合わせは可能です(第20回Q&A)。
賃金引上げ特例を使えばホームページの上限も上がりますか?
上がりません。第20回のQ&Aでは、賃金引上げ特例で補助上限が上乗せされても、広報費とウェブサイト関連費の上限は上乗せされないとしています。
出典
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版)(2026年7月21日 第8版・2026年10月28日閲覧)
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 Q&A(2026年10月28日閲覧)
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第19回公募 公募要領(第6版)(2026年3月6日 第6版・2026年10月28日閲覧)
- 小規模事業者持続化補助金<創業型>第4回公募 公募要領(第8版)(2026年10月28日閲覧)
数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく
公開 2026年10月28日
前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。
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