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2026/10/28

田舎で起業する・地方起業の始め方|起業支援金最大200万円と地域おこし協力隊、移住創業の実態

田舎や地方で起業する人は、地方創生の起業支援金(経費の2分の1、最大200万円)を使えます。東京圏から移住して起業すると移住支援金と合わせて最大300万円です。地域おこし協力隊の起業経費100万円、移住創業者の実態、田舎の起業アイデアの探し方を公的資料で整理しました。

田舎・地方で起業するときの数字(2026年10月時点)確かさ A
A起業支援金
最大200万円起業等に必要な経費の2分の1。令和8年度は43道府県で実施(内閣府 地方創生)
A起業支援金+移住支援金
最大300万円地方へ移住して社会的事業を起業した場合。単身は最大260万円
A地域おこし協力隊員等の起業・事業承継の経費
100万円/人を上限特別交付税措置。任期2年目から任期終了後3年以内が対象
A任期後に定住した協力隊員のうち起業した人
およそ46%直近5年に任期終了し定住した隊員(R7調査時点)
A移住創業者のうち「都市部から地方」
4.9%回答466人のうち23人。地方から都市部は42.3%(公庫総研・2021年2月調査)
Aローカル10,000プロジェクトの公費助成の上限
3,000万円初期投資費用の原則1/2。地域金融機関の融資等が条件

田舎や地方で起業する人は、地方創生の起業支援金(起業等に必要な経費の2分の1、最大200万円)を使えます。東京圏から移住して社会的事業を起業した場合は、移住支援金と合わせて最大300万円です(内閣府 地方創生、2026年10月28日閲覧)。

ただし、起業支援金には「国の交付決定日以降に開業届を出す」という順番の条件があります。このページでは、田舎で起業するときに使える制度、地域おこし協力隊から起業する道、移住して創業した人の実態を、公的機関の資料で整理します。

田舎で起業するとは:地域の資源と課題を事業にすること

田舎で起業するとは、地方の市町村に拠点を置き、その土地の資源や困りごとを事業にすることです。都市部と比べて家賃や土地の費用を抑えやすい一方、お客の数は少なくなります。

内閣府は、起業支援金の対象になる事業分野の例として、子育て支援、地域産品を活用する飲食店、買い物弱者支援、まちづくり推進などを挙げています。田舎の起業アイデアを考えるときは、「その地域で足りていないもの」から考えると、支援制度とも合いやすくなります。

田舎での起業の形例使える制度の例
地域の課題を解決する事業子育て支援、買い物弱者支援起業支援金
地域の資源を使う事業地域産品を使う飲食店、郷土料理の店起業支援金、ローカル10,000プロジェクト
地域で働いてから始める事業協力隊の活動を土台にした店や仕事地域おこし協力隊の起業経費
地域の店を引き継ぐ事業後継者のいない店の承継起業支援金(事業承継・第二創業)

田舎で小さなカフェを開く場合の許可や自宅開業の注意点は、小さなカフェを田舎・自宅で開業するにはにまとめています。

地方創生の起業支援金:最大200万円の条件

起業支援金は、都道府県や市町村が選んだ執行団体が、事業計画を審査し、伴走支援をしながら経費の2分の1を交付する制度です。上限は200万円です。

新たに起業する場合は、次の3つをすべて満たす必要があります。

  1. 東京圏以外の都道府県・市町村か、東京圏内の条件不利地域で、社会的事業を起業すること。
  2. 国の交付決定日以降、補助事業期間の完了日までに、個人開業届を出すか法人を設立すること。
  3. 起業地の都道府県内に住んでいるか、住む予定であること。

事業承継や第二創業でも使えます。この場合は、Society5.0関連業種など付加価値の高い分野で社会的事業を行うことが条件です。

項目内容
支援の中身伴走支援と事業費への助成
助成額起業等に必要な経費の2分の1(最大200万円)
実施する地域令和8年度は東京都・神奈川県・埼玉県・大阪府以外の43道府県
東京圏東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県
受付期間・対象分野都道府県・市町村ごとに設定

移住支援金と合わせると最大300万円

東京圏から地方へ移住して社会的事業を起業した場合は、起業支援金に移住支援金を足せます。合計は最大300万円(単身の場合は最大260万円)です。

支援金対象上限
起業支援金地域の課題に取り組む社会的事業の起業最大200万円
移住支援金東京圏からUIJターンで移住し、重要な中小企業等への就業や社会的起業をする人最大100万円(単身は最大60万円)
両方を使う場合地方へ移住して社会的事業を起業した人最大300万円(単身は最大260万円)

どちらも、実際に支給するのは地方公共団体です。要件となる事業分野や書類、受付期間は都道府県や市町村ごとに違うため、内閣府のページにある都道府県・市町村の一覧から、起業する地域の案内を開いて確かめます。

地域おこし協力隊から起業する

地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域などに住民票を移し、地域協力活動をしながら定住・定着を目指す仕組みです。任期はおおむね1年から3年で、令和6年度は7,910名が活動しました。任期後の定住率は約70%です(総務省)。

協力隊は、移住先で暮らしながら事業の準備ができるのが特徴です。総務省の資料(令和8年9月の滋賀県の会議資料に掲載)によると、直近5年に任期を終えて定住した隊員のおよそ46%が起業しています(R7調査時点)。

起業のお金については、自治体に次の特別交付税措置があります(R8)。

経費上限
地域おこし協力隊員等の起業・事業承継に要する経費100万円/人(任期2年目から任期終了後3年以内の起業・事業承継が対象)
同(新たな雇用の創出等の要件を満たす場合)200万円/人に引き上げ(R8~)
任期終了後の隊員が定住するための空き家の改修措置率0.5

これは自治体への財政措置なので、隊員がいくら受け取れるかは、所属する自治体の起業支援制度で決まります。

地域の資源を使う大きめの事業:ローカル10,000プロジェクト

店舗や加工場など初期投資が大きい事業には、総務省のローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金)があります。産学官金の連携で、地域の資源と資金を使う地域密着型の新規事業の立ち上げを支える制度です。

項目内容
対象になる費用民間事業者等の初期投資費用(施設整備・改修費、機械装置費、備品費等)
公費による助成原則1/2
助成の上限3,000万円(融資額が公費の2倍以上なら上限が上がる)
条件地域金融機関による融資等、地域資源の活用、地域課題への対応など
採択件数R7は108件(過去最高)

滋賀県長浜市では、ビワマスなどの地域資源を使った料理を出す地産地消ビュッフェレストランの整備に活用されました。市が補助金を出し、地元の信用金庫が融資、県立高校などがレシピ開発を支援しています。

移住して起業した人の実態

移住して起業する人は、都市部から地方へ移る人より、地方から都市部へ移る人のほうが多いのが実態です。日本政策金融公庫総合研究所の調査(2021年2月、回収数1,870人)で、移住創業者466人の移住元と移住先は次のとおりでした。

移住元→移住先人数割合
地方→都市部197人42.3%
地方→地方124人26.6%
都市部→都市部122人26.2%
都市部→地方23人4.9%

移住前から今の地域にゆかりがあった「キャリア移住」は57.5%でした。移住のきっかけは「結婚」(15.3%)や「現在の事業を始めるため」(13.7%)が多く、地方では「自分の郷里だから」という理由が多くなっています。総合的な満足度は、移住創業者のほうがその他の創業者や勤務者より高い結果でした。

田舎で起業する手順

田舎・地方で起業するときの手順は、次のとおりです。

  1. 地域を決める:郷里やゆかりのある地域か、協力隊の募集がある地域かを考えます。
  2. 地域の課題と資源を調べる:市町村の起業支援の窓口や商工会で、足りていないサービスや使える地域資源を聞きます。
  3. 支援金の募集時期を確かめる:起業支援金は県ごとに受付期間があり、交付決定のあとに開業届を出します。
  4. 事業計画をつくる:執行団体の審査と伴走支援を受けながら、売上と経費の見込みを固めます。開業資金の目安は開業資金はいくら必要?で確かめられます。
  5. 住まいと拠点を決める:空き家を使うなら、改修の費用と、店として使えるかの許可を先に確かめます。

よくある質問

田舎で起業するともらえる支援金はありますか?

地方創生の起業支援金があり、地域の課題を解決する社会的事業の起業に、経費の2分の1(最大200万円)が出ます。東京圏から移住すると移住支援金と合わせ最大300万円です。

起業支援金はいつ開業届を出せばいいですか?

新たに起業する場合、国の交付決定日以降、補助事業期間の完了日までに開業届か法人設立をすることが条件です。先に開業すると対象外になるおそれがあるので、順番に注意します。

地域おこし協力隊から起業できますか?

できます。任期2年目から任期終了後3年以内の起業・事業承継の経費に、1人100万円を上限とする特別交付税措置があります。定住した隊員のおよそ46%が起業しています。

東京都で起業しても起業支援金は使えますか?

起業支援金は東京圏以外か東京圏の条件不利地域での起業が対象です。令和8年度は東京都・神奈川県・埼玉県・大阪府を除く43道府県が実施しています。

出典

  1. 内閣官房・内閣府 地方創生「起業支援金」(2026年10月28日閲覧)
  2. 内閣官房・内閣府 地方創生「起業支援金・移住支援金・地方就職支援金」(2026年10月28日閲覧)
  3. 総務省「地域おこし協力隊」(2026年10月28日閲覧)
  4. 滋賀県 琵琶湖保全再生推進協議会幹事会 資料2-5(総務省の取組:地域おこし協力隊・ローカル10,000プロジェクト)(令和8年9月9日・2026年10月28日閲覧)
  5. 日本政策金融公庫 総合研究所「移住創業者のうち都市部から地方への移住は5%」(2021年3月18日公表・2026年10月28日閲覧)
  6. 日本政策金融公庫「移住創業事例」SPRING GALLERY(山梨県西桂町)(2020年3月取材・2026年10月28日閲覧)

数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月28日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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