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2026/10/27

不動産開業の手順|一人で不動産会社を起業するには宅建業免許・営業保証金・事務所の要件

不動産会社を開業するには、宅地建物取引業の免許を受け、本店1,000万円の営業保証金を供託するか、保証協会に加入して分担金60万円を納めます。事務所ごとに従事者の5分の1以上の専任の宅建士も必要です。都道府県と国土交通省の案内から、一人で開業する手順を整理しました。

不動産業の開業に必要な数字(2026年10月時点)確かさ A
A営業保証金(供託する場合)
本店1,000万円支店は1か所ごとに500万円。法務局に供託(沖縄県・滋賀県)
A弁済業務保証金分担金(保証協会に加入する場合)
本店60万円支店は1か所ごとに30万円。ほかに入会金等が必要(沖縄県)
A知事免許の申請手数料
33,000円沖縄県の例。国土交通大臣免許は登録免許税90,000円
A専任の宅地建物取引士
従事者の5分の1以上事務所ごとに最低1名。常勤で専従できること
A免許の有効期間
5年更新は有効期間満了の90日前から30日前までに申請
A宅地建物取引業者数
133,727業者令和7年度末(令和8年3月末)。12年連続で増加(国土交通省)

不動産会社を開業するには、宅地建物取引業(宅建業)の免許を受けたうえで、本店1,000万円の営業保証金を供託するか、保証協会に加入して弁済業務保証金分担金60万円を納めます(沖縄県・滋賀県の案内、2026年10月27日閲覧)。事務所ごとに、仕事をする人の5分の1以上の割合で専任の宅地建物取引士(宅建士)も置きます。

国土交通省によると、令和7年度末の宅地建物取引業者数は133,727業者で、12年連続で増えています。一人で開業する人も多い業種ですが、免許・お金・事務所・人の4つの要件をそろえないと営業を始められません。このページでは、都道府県と国土交通省の案内から、開業の手順と要件を整理します。

宅建業の免許とは:不動産の売買・仲介を「業」として行うための免許

宅建業の免許とは、宅地や建物の売買・交換、売買・交換・貸借の代理や媒介(仲介)を、業として行うために受ける免許のことです。滋賀県の案内では、不特定多数の人を相手に、反復または継続して行い、社会通念上「事業」とみられる程度の行為が、免許の要る宅地建物取引業に当たるとしています。

免許には2つの区分があります。

区分事務所の場所申請の手数料など(沖縄県の例)
都道府県知事免許1つの都道府県の中だけに事務所を置く33,000円
国土交通大臣免許2つ以上の都道府県に事務所を置く登録免許税90,000円

一人で開業するなら、ふつうは事務所が1か所なので都道府県知事免許になります。免許は個人にも法人にも出ますが、その個人・法人だけのもので、相続や売買はできません。法人で受ける場合は、登記簿の「目的」に宅地建物取引業を営む旨が書かれている必要があります。個人で始めるか会社をつくるかは個人事業主と法人の違いで比べています。

不動産会社を開業する4つの要件

宅建業の免許を受けて営業を始めるには、事務所・専任の宅建士・代表者・保証金の4つをそろえます。

要件都道府県の案内にある内容
事務所継続的に業務を行える施設で、独立性が保たれていること
専任の宅地建物取引士事務所ごとに最低1名、かつ業務に従事する者5名につき1名以上。常勤で専従できること
代表者契約締結などのため基本的に事務所に常駐。できない場合は政令で定める使用人を置く
営業保証金か保証協会本店1,000万円の供託、または保証協会に加入して本店60万円の分担金

このほか、代表者や役員が宅地建物取引業法第5条第1項の欠格事由に当たると、免許を受けられません。

専任の宅建士:一人で開業するなら自分が宅建士になる

一人で開業する場合、従事する人は自分1人なので、自分が専任の宅建士になるのが基本です。沖縄県は、専任の宅建士を「宅地建物取引士証の交付を受けた者」で、成年者であり、事務所の営業時間内は専任・常勤できることが条件だとしています。試験に受かるだけでなく、宅建士証の交付まで受けておく必要があります。

宅建士の試験は、合格者の約3分の1が不動産業の人です。不動産適正取引推進機構によると、令和7年度の試験(令和7年10月19日実施、11月26日合格発表)は受験者245,462人、合格者45,821人で、合格率は18.7%でした。合格者の平均年齢は36.2歳、職業別では不動産業が33.2%を占めています。

営業保証金1,000万円か、保証協会の分担金60万円か

免許を受けても、営業保証金を供託するか、保証協会に加入するまで営業は始められません。どちらも、取引の相手に損害を与えたときの弁済に備えるお金です。

方法本店支店(1か所ごと)手続き
営業保証金を供託する1,000万円500万円主たる事務所の最寄りの法務局で供託
保証協会に加入する60万円(弁済業務保証金分担金)30万円保証協会に加入。ほかに入会金等が必要

沖縄県の案内では、保証協会は公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会と、公益社団法人不動産保証協会の2つが挙がっています。どちらも、分担金のほかに入会金などがかかると書かれており、金額は各団体に問い合わせるよう案内されています。

供託か加入の届出は、免許を受けた日から3か月以内です。届出のあとで免許証が交付され、営業を始められます。

事務所の要件:自宅で開業するときの注意

宅建業の事務所は、継続的に業務ができて、ほかから独立していることが必要です。滋賀県は、次のような場所は認められない、または原則として認められないとしています。

  1. テント張り、建物の基礎のないコンテナハウス、ホテルの一室
  2. 都市計画法や建築基準法に違反している建物(認められないことがある)
  3. 1つの部屋をほかの法人などと共同で使う場合(パーテーションで仕切られている、入口が別であるなど、明確に区分されていれば可能な場合がある)

自宅の一部を事務所にすることはできますが、居住スペースを通らずに事務所へ行けることが必要です。同じフロアにほかの業者がいる場合も、他業者の事務所を通らずに行けることが求められます。都道府県は、事務所を使う権原の書面、写真、平面図や、現地調査・聞き取りで総合的に判断します。

開業までの流れと期間

不動産会社の開業は、宅建士証の取得→事務所の確保→免許申請→審査→供託か保証協会への加入→免許証の交付の順に進みます。滋賀県の新規申請の流れは次のとおりです。

  1. 申請書類をつくる:申請書のほか、事務所の写真や平面図、使用権原の書面などをそろえます。
  2. 来庁の日時を予約して、申請書類を出す。
  3. 審査を受ける:土日祝日を除いて約40日間。審査の間に事務所の調査があります。
  4. 免許の通知が事務所に届く:交付時に必要な書類(供託関係の書類、従業者証明書の提示など)が書かれています。
  5. 営業保証金を供託するか、保証協会に加入する:免許を受けてから3か月以内です。
  6. 届出のあと、免許証の交付を受けて営業を始める。

開業したあとは、免許の有効期間が5年です。引き続き営業する場合は、有効期間満了の90日前から30日前までに更新を申請します。事務所ごとに従業者名簿(最終の記載日から10年間保存)と業務の帳簿(閉鎖後5年間保存)を備え付ける義務もあります。

フランチャイズで不動産業を開業する場合

フランチャイズに加盟して開業する場合も、宅建業の免許は加盟する自分(自社)が受けます。免許は個人や法人ごとのもので、ほかに貸し借りできないためです。専任の宅建士、事務所、保証金の要件も同じです。

フランチャイズでは、看板や集客の仕組みを使えるかわりに、加盟金やロイヤルティを払います。契約の前に確かめることは、フランチャイズとは?とフランチャイズに加盟する前に確かめる8つのことにまとめています。

よくある質問

不動産会社を一人で開業できますか?

できます。事務所ごとに従事者5名につき1名以上の専任の宅建士が必要なので、一人で開業するなら自分が宅建士証の交付を受け、事務所に常勤するのが基本です。

不動産業の開業にはいくら必要ですか?

免許の手数料(沖縄県の知事免許で33,000円)に加え、営業保証金1,000万円を供託するか、保証協会に加入して分担金60万円と入会金等を納めます。事務所の費用は別です。

宅建業の免許はどれくらいで取れますか?

滋賀県の案内では、申請の受付後、土日祝日を除き約40日間の審査があり、その間に事務所の調査もあります。免許後3か月以内に供託か保証協会への加入を届け出ます。

自宅で不動産屋を開業できますか?

条件つきで可能です。滋賀県は、住まいの一部を事務所にする場合、居住スペースを通らずに事務所へ行けることが必要としています。独立性があるかを写真や図面で判断します。

出典

  1. 沖縄県「宅地建物取引業の免許取得」(2024年3月4日更新・2026年10月27日閲覧)
  2. 滋賀県「宅地建物取引業免許(新規)申請手続きの流れ等について」(2026年10月27日閲覧)
  3. 国土交通省 報道発表資料「令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について」(令和8年10月2日公表)
  4. 一般財団法人不動産適正取引推進機構「令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」(令和7年11月26日公表)
  5. 長野県「令和7年度宅地建物取引士資格試験の合格発表について」(2026年10月27日閲覧)

数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく

公開 2026年10月27日

前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。

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