
2026/10/28
お弁当屋さんの開業|弁当屋の開業資金・必要な許可とフランチャイズ、儲からないと言われる理由
弁当を作って店頭で売るお弁当屋さんは、保健所の飲食店営業の許可を取って開業します(広島市の申請手数料は17,000円)。ほっともっとの加盟の開業資金の目安は2,600万円~4,600万円、引き継ぎで売りに出た弁当店は150万〜1,000万円でした。
- A惣菜の市場規模
- 11兆7,075億円2025年・前年比3.7%増(日本惣菜協会)
- A惣菜専門店の市場規模
- 3兆2,020億円2025年。CVSは3兆6,044億円(構成比30.8%)
- A飲食店営業の許可の申請手数料
- 17,000円広島市。弁当を作って店頭で売る営業はこの区分
- Aそうざい製造業の許可の申請手数料
- 23,000円広島市。そうざいを作って卸し売りする営業
- Aほっともっと加盟の開業資金(目安)
- 2,600万円~4,600万円自己所有物件を持たない場合。投資回収の目安は4年~6年
- B売りに出た弁当店の譲渡希望額
- 150万円〜1,000万円BATONZに掲載された4件(神奈川・沖縄・広島)
お弁当屋さんは、弁当を作って店頭で売るなら保健所の「飲食店営業」の許可を取って開業します。広島市の場合、申請手数料は17,000円です(広島市、2026年10月28日閲覧)。チェーンに加盟する場合、ほっともっとの開業資金の目安は2,600万円~4,600万円と公表されています。
お弁当を含む惣菜の市場は、2025年に11兆7,075億円と前年より3.7%伸びました(日本惣菜協会)。ここでは、許可の取り方、開業資金、フランチャイズと引き継ぎの数字、儲からないと言われる理由を、公的機関と事業者が公開している情報から整理します。
| 形 | 例 | 公開されている数字 |
|---|---|---|
| チェーンに加盟 | ほっともっと(プレナス) | 開業資金の目安2,600万円~4,600万円、投資回収の目安4年~6年 |
| 個人店を引き継ぐ | 湘南のお弁当屋(成約済み) | 譲渡希望額150万円 |
| 老舗を引き継ぐ | 沖縄の創業35年の弁当店(成約済み) | 譲渡希望額500万円、売上高5,000万円〜1億円 |
| 加盟店を引き継ぐ | 広島県のフランチャイズの弁当屋 | 譲渡希望額1,000万円、売上高3,000万円〜5,000万円 |
お弁当屋さんとは:作りたての弁当を持ち帰りで売る店
お弁当屋さんとは、店の厨房で弁当を調理し、店頭での持ち帰りや配達で売る商売のことです。業界では、家の外で調理されたものを家や職場で食べる「中食(なかしょく)」の一つに数えられます。
日本惣菜協会の調べでは、2025年の惣菜市場は11兆7,075億円でした。売っている場所ごとに見ると、次のとおりです。
| 業態 | 2025年の市場規模 | メモ |
|---|---|---|
| CVS(コンビニ) | 3兆6,044億円 | 構成比30.8%。伸び率は低迷 |
| 惣菜専門店 | 3兆2,020億円 | 前年比104.2% |
| 食料品スーパー | — | 前年比104.9% |
| 総合スーパー | — | 前年比104.7% |
お弁当屋さんは「惣菜専門店」に近い立ち位置で、市場の3割をコンビニ(構成比30.8%)が占めています。同協会は、単身世帯や共働き世帯の増加、高齢化を背景に、手間を省きつつ食事の質を求める需要が根強いとしています。
弁当屋の開業に必要な許可:飲食店営業か、そうざい製造業か
弁当屋の開業に必要な許可は、どこで誰に売るかで変わります。広島市は、主な業種と営業の中身を次のように示しています。
| 許可の種類 | 当てはまる営業(広島市の例) | 申請手数料(広島市) |
|---|---|---|
| 飲食店営業 | 弁当を製造し、店頭で販売する営業 | 17,000円 |
| そうざい製造業 | そうざいを製造し、卸し販売する営業 | 23,000円 |
| 複合型そうざい製造業 | — | 33,000円 |
自分の店で作って自分の店で売る一般的なお弁当屋さんは、飲食店営業に当たります。スーパーや売店に卸すなら、そうざい製造業の許可が要ります。手数料は新規申請と継続申請で同じ額です。
業種ごとに施設の基準があり、基準を満たさないと許可は取れません。広島市は、新しく営業を始めるときや改装するときは、施設の平面図(手書きでも可)を持って保健所の窓口で事前相談を受けるよう求めています。
弁当屋の開業資金:加盟・引き継ぎ・個人開業で比べる
弁当屋の開業資金は、加盟するか、引き継ぐか、ゼロから作るかで桁が変わります。公開されている数字は次のとおりです。
| 始め方 | 公開されている金額 | 中身 |
|---|---|---|
| ほっともっとに加盟 | 2,600万円~4,600万円 | 開業資金の目安。自己所有物件を持たない場合 |
| 弁当店を引き継ぐ | 150万円〜1,000万円 | BATONZに載った4件の譲渡希望額 |
| 自分で店を作る | 総額の公開例は少ない | 物件・内装・厨房機器・許可の手数料など |
プレナスは、ほっともっとの開業資金の額は立地や商圏によって変わるとしています。自分の土地や建物を持っている人は、その分が変わります。
個人で店を作る場合は、全業種の目安として日本政策金融公庫の調査をまとめた開業資金はいくら必要?が参考になります。
弁当屋のフランチャイズ:ほっともっとの公開情報
弁当屋のフランチャイズで、開業資金の目安を公式に出しているのがプレナスの「ほっともっと」です。同社の加盟店募集のページには、次の数字が載っています。
| 項目 | 公開されている内容 |
|---|---|
| 開業資金(目安) | 2,600万円~4,600万円 |
| 投資回収(目安) | 4年~6年 |
| 総合店舗数 | 2019年2,527店、2024年2,426店、2025年2,426店 |
| 制度 | 新しいフランチャイズ制度「リワードFC制度」の募集を開始 |
ほっともっとは「お弁当はひとつひとつ、お店で手作り」としていて、店内で調理する形です。プレナスは、法人企業や事業主の新しい事業としての展開や、自己所有の土地・物件を生かした出店を案内しています。
加盟を考えるときは、開業資金のほかに、ロイヤルティなど毎月払うお金と契約の期間を確かめます。本部が出す数字は目安なので、自分の出店候補地での売上の見込みを、本部の説明とは別に確かめることが大切です。
弁当屋を引き継ぐ:事業承継の売り案件の数字
弁当屋は、店を閉じる人から引き継いで始める道もあります。事業承継・M&AのサイトBATONZに載った弁当店の売り案件は、次のとおりです(2026年10月28日閲覧)。
| 案件 | 地域 | 売上高 | 譲渡希望額 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 山形から仕入れありのお弁当屋 | 神奈川県(湘南) | 0円〜1,000万円 | 150万円 | 成約済み |
| 創業35年の弁当店 | 沖縄県 | 5,000万円〜1億円 | 500万円 | 成約済み |
| 大手FC加盟済みの弁当×就労支援 | 神奈川県 | 1,000万円〜3,000万円 | 900万円 | 掲載中 |
| フランチャイズの弁当屋 | 広島県 | 3,000万円〜5,000万円 | 1,000万円 | 掲載中 |
沖縄の弁当店の譲渡理由は「後継者不在・体調不安」でした。売り手は、かつて取り組んでいた催事出店を再開すれば、さらに収益を上げられる見込みがあると書いています。広島県の案件は、弁当を作って店頭販売と配達をしていて、一定数の固定客がいることを強みに挙げています。
弁当屋は儲からない?儲かる店との違い
弁当屋が儲からないと言われる大きな理由は、同じ客をコンビニやスーパーと取り合い、材料費と人件費が上がっているからです。日本惣菜協会は、2025年の惣菜市場について、原材料価格や人件費の上昇、物流コストの増加など厳しい経営環境が続いたとしています。
一方で、同協会は、コメや生鮮三品の値上がりで、少人数の世帯では作るより惣菜を買うほうが無駄がないと評価されたとも見ています。売上は、おおまかに 客単価 × 1日の販売数 × 営業日数 で決まります。
公開されている案件から読み取れる、売上を伸ばす手は次のとおりです。
- 販路を店頭だけにしない:広島県の案件は店頭販売と配達の2本で売っています。
- 催事に出る:沖縄の弁当店は、催事出店で収益を上げる余地があるとしています。
- 仕入れで違いを出す:湘南のお弁当屋は、山形からの仕入れを案件名に掲げています。
- 本部の仕組みを使う:加盟すれば、商品とブランドを本部から受け取れます。その代わり開業資金は大きくなります。
年収(オーナーの取り分)の統計は公表されていません。売上の例として、神奈川県の案件は「月商200万超」としていて、月商200万円×12か月=2,400万円が年の売上の目安になります。ここから材料費・人件費・家賃などを引いた残りが、オーナーの取り分です。
よくある質問
お弁当屋さんを開業するにはどんな許可が要りますか?
弁当を作って店頭で売るなら、保健所の飲食店営業の許可です(広島市の例)。スーパーなどへ卸すそうざいを作る場合は、そうざい製造業の許可になります。
弁当屋の開業資金はいくらですか?
ほっともっとの加盟では、物件を持たない場合の開業資金の目安が2,600万円~4,600万円です。個人店の総額を公開した実例は少なく、物件と厨房設備で大きく変わります。
弁当屋は儲からないと言われるのはなぜですか?
コンビニやスーパーと同じ客を取り合い、原材料・人件費・物流費が上がっているためです。日本惣菜協会は2025年をこうした厳しい経営環境の年としています。
弁当屋を引き継いで始めることはできますか?
できます。事業承継のサイトBATONZには、譲渡希望額150万円や500万円で成約した弁当店が載っています。設備やお客、従業員ごと引き継げる場合があります。
出典
- 日本惣菜協会「2025年惣菜市場規模 前年比3.7%増 11兆7,075億円」(2026年4月14日公表・2026年10月28日閲覧)
- 広島市「食品営業施設の基準とモデル図面について」(2025年2月21日更新・2026年10月28日閲覧)
- 広島市「食品衛生関係申請手数料一覧」(2025年2月22日更新・2026年10月28日閲覧)
- プレナス「加盟店オーナー募集(ほっともっと)」(2026年10月28日閲覧)
- BATONZ「【沖縄】創業35年地域住民にテイクアウト食品を提供する弁当店」No.56657(2024年11月26日更新・2026年10月28日閲覧)
- BATONZ「【湘南】山形から仕入れあり / お弁当屋の事業譲渡」No.41688(2024年4月5日更新・2026年10月28日閲覧)
- BATONZ「フランチャイズの弁当屋」No.41661(2026年9月3日更新・2026年10月28日閲覧)
- BATONZ「【月商200万超】【弁当×就労支援】大手FC加盟済み!地域需要に応える弁当事業」No.75904(2025年10月9日更新・2026年10月28日閲覧)
数字は出典の時点のものです。誤りや古くなった数字を見つけたらこちらからお知らせください。

監修:前田晃介
FP・宅建。まがりDEバナナ(ピーク時108店舗)、癒し〜ぷ(約40店舗)の本部を立ち上げ、そば屋・うなぎ屋を経営。詳しく
公開 2026年10月28日
前田晃介が事業をゼロからつくる1年を、数字ごと見る。
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